大阪石材社長ブログ

「知識労働者」こそ付加価値を産む

投稿日:2021年4月9日 更新日:

1969年の「断絶の時代」という著書の中でドラッカーは情報化社会の働き方が大きく変わることを予言していた。
日本は1970年に大阪万博を開催し、日本の技術力が世界を席巻しようとしていた頃である。
この万博をプロデュースしていたのが堺屋太一さんで1985年に「知価革命」という本を出し、知価価値の時代がやってきたと言っていた。

大量生産・大量消費の頂点を迎えた日本は諸外国から内需拡大を要求された。
1985年プラザ合意に基づき円高容認され、日本にバブルが起こるのである。
さて、そんな時代にアメリカはシリコンバレーでIT産業を育て、現在のGAFAを産み出していたのである。

価値は誰が産み出すのかという議論で1850年代にマルクスは労働者が剰余価値を産んでいると結論づけたのだが、岩井克人さんによると、それは19世紀の時代の工場を背景にしての話で、戦後の工業化の中では機械の技術革新による高度化と安い労働賃金の差で生まれたというのだ。
先進国はコロナウイルスのおかげで、中国の安い賃金を求めたサプライチェーンの脆弱さに気づき、方向転換を余儀なくされ、ESGという環境・社会・統治を重点に脱炭素を目指す会社に投資しようという方向性を出している。
工業化社会の産業資本の時代は終わり、情報化社会へシフトした現代。
AI(人工頭脳)により頭を使う事務仕事が機械化され、調理等の労働作業をするロボットも作られ、頭脳・肉体両方の労働が解放される時代だ。
製造業においても従来の仕事を単純化した「マニュアルワーカー」でなく「ナレッジワーカー」として、工程管理、新商品の開発、工場のレイアウトといった知識を知恵に変える働き方に高度化している。

一方従来ホワイトカラーと言われた頭脳を使う事務職の経験やプロセスで得た智慧を活用して、知識労働者に進化していっている。
農業の機械化とIT化においても田んぼの真ん中にビルを建て、水耕栽培をするようになり、全自動で光の具合・肥料・温度調節などを、AI(人工頭脳)にやらせて、経験のあるおじいちゃんやおばあちゃんに微妙な指示をもらって、露地栽培と同じ出来栄えにして、なお販売できる包装までして出荷する状況だ。
家電製品もIoTと言って、モノのインターネット化が進みスマホで外出先から風呂のスイッチがいれられるようになる。
車は自動運転が実現され、通勤バスは無人になり循環するのも現実化される。

これからの現場で働く者は、マニュアルでなく非定形に対応する知識労働者になり、業務遂行の事務労働をする人は単なるパターン化した作業をこなすのでなく、オフィスワーカーとして今まで得た経験やプロセス管理を生かして業務の流れの一元化や、SNSやYouTubeを使い自ら発信し「作り手とお客さん」を結ぶビジネスモデルを構築していく知識労働者になる。
あらゆる業種に求められるこれからの付加価値は高度な機械化と低賃金の差でなく、IT化を進め、新商品・新サービスとともにデザインや全体としての事を演出する知識を知恵に変えるハイブリットな知識労働が求められる。

皆さんは知識労働者になること何かやられていますか?

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