お先にどうぞ

投稿日:2015年8月9日 更新日:

日経新聞の一面に戦後七十年、これからの世界と題した特集が掲載されてる。
今日は京セラの稲盛名誉会長だった。

経済的には1980年代は『ジャパンイズNo.1』といわれていた。
欧米に追いつけ追い越せを目標に、島国の中で独自の創造性が競われてきた。
日本製品の品質アイデアは世界中の人に素晴らしいと評価された。
しかし、1990年前後のバブル崩壊から、日本は景気が停滞しデフレに20数年も横ばいの成長だった。
GDP(国民総生産)を比較してもアメリカやドイツ、中国とは量の規模が違う。

今や世界の工場であった中国は世界第二位の規模となり、
4~5年後には世界一のGDPになるという状況だ。

アメリカはイギリスの13植民地が1776年の独立宣言から独立戦争をへてアメリカ合衆国が建国された。
各州は州法があり独立してるが、世界と向き合うときはアメリカが一つとなってがんばるのである。
第二次世界大戦のときにドイツのユダヤ人虐殺の亡命先でもあり頭脳優秀な人が集まっている。
ヨーロッパも同じようにユーロ圏を形成し、合衆国化を創造したがギリシャ始め問題を抱えている。
ギリシャの優秀な若者はイギリスや、ドイツに就職し、ギリシャを離れていってるのも事実だ。

日本はこれからの世界へどう羽ばたくかの鍵を稲盛名誉会長は、
『小異を捨てて大同につく合併だ』と方向を指される。
経営者は『一国一城の主』で満足するのでなく、
勇気を持って業界を再編することに取り組んでほしいと語られていた。

これは方法論の問題であることと同時に日本の『島国根性』としての狭量さの指摘でもある。
胸襟を開き大同団結し、互いの持ってる技術や商品、サービス、人材を生かす仕組みの共有こそが、
世界へ挑んで行く方向性だということだ。

さて心の狭量さだけでなく、心のあり方に二つの提案をされている。

1.『わが道を行く』という気概で、ユニークな技術や製品サービスをつくるのは、
『一歩前に踏み出す勇気』より、自分を信じ、こつこつ努力を重ねる『耐える勇気』という心のあり方

2.これまでの資本主義は欲望をエンジンにしてきて発展したが、『親切心やおもてなしの心』
といった、日本人が昔から持っている自分を横において他人に尽くす、
『利他の心』に転換する必要があるとも語られる。

先日、込み合った電車に乗った時、座席がひとつ空いていた。
華道か、茶道をたしなんでる若い女性が年長の方に、
『お先にどうぞ』とごく自然に言ってる姿を見て感動を覚えた。
即座に出てくる言葉をきいて、自分にできるかと反省させられた。

皆さんは『お先にどうぞ』どんなときでも言ってますか?

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