「貞観政要」に学ぶ

投稿日:2020年1月20日 更新日:

貞観政要は唐の二代皇帝太宗(李世民)の言行録だ。
貞観(627~649年)の時代で中国史上最も国が治まった時代である。
さて太宗は24年間、帝位についていましたが優れたリーダーであることは間違いない。

当然、政務を執行するときは公平無私を貫いたことは言うまでもなく、
自分に厳しい人であった。

そのいい例が三鏡の考え方だ。
「太宗,かって侍臣(じしん)に謂いて曰く
 それ銅を以て鏡と為せば,以て衣冠(いかん)を正す可し。
 古を以て鏡と為せば,以て興替(こうたい)を知る可し、
 人を以て鏡と為せば、以て得失を明らかにす可し、
 朕常に此の三鏡を保ち、以て己が過ちを防ぐ」
1、銅の鏡=鏡に自分を映し、元気で明るく楽しい顔をしているかチェックする。
2、歴史の鏡=過去の出来事しか将来を予想する教材がないので、歴史を学ぶ。
3、人の鏡=部下の厳しい直言や諫言をうけいれる。

当然、経営するには私心をなくすことに努力しないと好き嫌いで判断したり、
気分によって決断していたのでは信頼は得れないし、会社を危うくする。
では、どう対処するかと問われたら、「我慢」とか「忍耐」という精神論になってさらに苦しむ。
こんな責任の重い仕事はしたくないと考えるようになる。

太宗のように、三鏡を考え自らに具体的な判断基準を設けて誤りを防ぐとは現実的で具体的だ。
自分がこうしたい、あしたいという欲望を満たそうとする次元では考えられない。
当然、民を豊かにし、安定した平和な世の中を実現する経営感覚という次元での戒めだ。

松下さんは働く人に、
「君たちも家に帰ったら、一国一城の主だ。自分の家庭を豊かに平和な経営をする義務がある」
国家のリーダーも会社のリーダーも家庭のリーダーも立場は同じだということだ。
一人の人間としての三鏡を以て家庭経営をすることを考えるには、
まず銅の鏡で、仕事でどんなことがあっても「笑顔」を忘れないことから始めたいものだ。
奥さんに愚痴を言って自分の気を晴らし、「笑顔」になれてない自分を反省する次第である。

最近、若い人が居酒屋に上司と行かないのは、
「上から支持され、下から突き上げられる中間管理職はつらい」
と愚痴をこぼしているからではないでしょうか?

皆さんは、この三鏡をいかが思いますか?

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