「才能と人格と人間関係」の三方を磨く

投稿日:2020年7月20日 更新日:

菜根譚(さいこんたん)によれば、「徳は才の主、才は徳の奴なり」才能と人格は車の両輪なのだが、人格が主人で才能は召使であると言い切るのである。

才能に恵まれても人格が伴わないと、主人のいない家で召使が、我が物顔にふるまっているようなもので、この家は妖怪変化の巣窟になるという。
才能とは個人の秀でた能力であるが、他より秀でていることで傲慢になり、独善的に陥りやすい。
ところがその才能が、他人や社会の喜ぶことを目的とし、貢献すれば仕事・人生に成功し幸福になるというのである。

では、人格だけ磨いていれば幸福がやってきて、成功を手にするかといえば、そうはいかない。
ドラッカーは成功する経営者に最も大事なことは、人間関係構築することだというのである。
対人関係の能力(話し方や上下の礼儀正しい姿勢という技術)を持つことによって人間関係はできるのではない。
自らの仕事や他との関係において、貢献に焦点を合わせる(利他行)ことによって良い人間関係が持てると言い切る。

人間は肉体や精神からくる本能的な生存欲求を脱して、他者に貢献したいという心底からくる欲求に目覚め善思善行を実行する境地を創る。
これには一意専心して仕事に打ち込む努力がいる。その努力は調和へといざなう努力でなければならない。
それが、他者と不調和な関係を作るのは、自分の欲望を実現したい利己心が根底にあることに間違いない。
利己心の貢献は、他者への押し付けであり、傲慢で増上慢な自己満足な貢献だ。

道元が如浄禅師の「身心脱落(しんじんだつらく)」という言葉を聞いて、覚られたのは人間の肉体と精神からくる欲望を脱して、心の奥にある良心から、自分を俯瞰して今やるべきことに専心することだと気づかれたのである。
「自利利他」の行!

成功するのは互いが相対化している社会でなく、互いが相補的に助け合って大きな生産性を上げている現実の中で、人間関係を構築するには利他行を一番にすることで発展、成長、進化する仕事・人生が送れることは間違いない。

信じるとか信じないという次元ではなく、宇宙の法則は、生成化育して調和しているその法則に乗っ取るからだ。

皆さんはこの三つのどれを優先順位一番に選ばれていますか?

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