渥美清さんの寅さんシリーズの映画を楽しみに見たのは団塊の世代ではないでしょうか?
人間の人情と義理は通すが全国を旅して生きる自由人だ。
腹巻に雪駄、角革カバンのいでたちに茶色の帽子姿だ。
相手役はいつも綺麗な女優さんで片思いの恋をして振られるというストーリーだ。
渥美清さんがなくなって今回50作目が上映されるそうだが、
主役は妹、さくらの息子さんだ。
戦後、日本が高度経済成長を遂げ経済的に「豊かな国」という大量生産時代を築き上げた。
敗戦によって国土が灰になることは言うまでもないが、
日本の大切なものを二つ失ってしまったのである。
その一つは「日本の美意識」
もう一つは「日本の正しいという倫理観」という価値だ。
豊かな国作りは猛烈に働く事が是とされ、
誰もがみんな大学に行って大企業に勤め、
終身働く事が人生設計だと疑わなかった時代だ。
1980年代にはものづくりで大量で高品質をほこり、世界で第二位のGDPの国になって、世界から「ジャパンイズナンバーワン」といわれた。
それが実現した条件は五つあると堺屋太一さんは言う。
1、東京一極集中
2、流通の無言化(無人化)
3、小住宅持ち家主義
4、終身雇用ー「職業単属人間」
5、日本人の人生の規格化
これは国家官僚が目指した「豊かな日本」であったというのである。
今も政治主導に戻そうとがんばっているが、現実はなかなか上手く行かない状況だ。
しかし悲観的に考えても致し方ない。
今後を考えると面白くなってくるように思う。
堺屋さんは「楽しい日本」を目指そうと予言されてる。
言い換えると民間主導の改革を自ら実行できるようにする事だ。
今年は世界のラグビーが東大阪の花園ラクビー場で行われる。
そのメインゲートのモニュメント製作に少し関わらせていただいた。
中野裕介君というアーティストが関わっていて石を提供させてもらった。
その彼が京都でアートホテルの設計に携わり、全室が多くのアーティストにより作られ同じ部屋はないのである。
規格化された人生設計を疑いもなく信じた価値観で全室同じ設計だった価値観から全室がみんな違うホテルというわけだ。
まさに多様化に対応し、自由に楽しみ価値を楽しむホテルができたのだ。
消費者が「寅さん」を価値とする時代になったように感じる。
「いいもん安いのがイズミヤ」という価値観からの脱却である。
みんなが誰でも大学に行くのが当たり前で、
試験の点数の良い子が偉いと言う価値だ。
2019年の「令和」は価値観が大転換する時代になったようにワクワクする。
今後は多様性と同時に大量にもできるハイブリットな時代になり、
データーベースで個別の小マーケットを抽出し提案する時代となるに違いない。
IT化と独創性ある商品サービスを生み出す企業が主流になるに違いない。
それも寅さんのように義理も人情もあって自由で楽しめる社会であろう。
皆さんは寅さんの人情と義理があって自由な人生、いかが感じますか?