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「美利善」について

投稿日:2021年10月6日 更新日:

牧口常三郎が、カントの「真善美」という価値論から「利」という価値を前面に出し、創価教育学会を起こしたのは1930年(昭和5年)11月18日の戦時中であった。 日本は欧米の真似をして植民地戦略へと走っていく国家統制下にあった。
国民は苦しんでいたであろう。
当時の日本に対しタゴールは次のように述べていた。
「日本は国家主義を捨てなければ国家の人間を押しつぶすことになる。人が他人のために己を忘れて国家のために働く人間主義になれば未来は開いていく」

その後、牧口常三郎は日蓮の仏法に出会い、宗教改革へと変化して1937年に2代目戸田城聖たちと発足式をやる。
未だ戦時下の1943年に治安維持法違反と不敬罪の容疑で逮捕・投獄され、翌年73才で獄死する。
そして、戸田城聖は1945年に出獄して池田大作とともに現代の基礎を形成していくのである。

『創価』の意味は「生命の尊厳」と「世界平和」へと繋がり、そこには経済的な利がなければならないという立場だ。
戦時下、戦後と貧困に喘いでいた国民には響くものがあったに違いない。
しかし、「利」といっても利己主義に陥らないで自他ともに幸福になる「自利利他」を意味する。
「善」も私益でなく、みんなのためになる公益を善と考えていた。
「美」は文化力だ。「貧すれば鈍する」という言葉があるように人間の品格(人格)が下品になるのはダメだと言っている。
あくまでも人格陶冶して公明正大に行動する。そこで政治を正そうと出来たのが公明党(1964年結党)だ。
政治の浄化。
民衆の公明正大さを集め「自由・権利・幸福」を実現しようというのだ。

日蓮の言葉を4つ紹介する。
「冬は必ず春になる」
「大悪を起これば大善来る」
「人の為に火をともせば、わが前明らかなるが如し」
「自分だけの幸福もなければ、他人だけの不幸もない」

天風は「真善美」を「誠・愛・調和」と言って、「絶対積極意識を自分で創れ」、「心の主人となれ」と言う。
『創価』の意味は時代を捉え、生活者を勇気づけたことは間違いない。

皆さんは「利」の意味いかが思いますか?

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