大阪石材社長ブログ

「なぜ稲盛さんに学ぶか?」

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盛和塾に入って二十数年経つが、最初に稲盛さんに学ぼうと思った理由は「事業に成功しているから」であった。
どうすれば事業を発展させ、社員の物心両面の幸福を実現できるかの判断基準や手段が知りたいから学んでいた。
特に色んな場面に出会った時の対処方法が知りたいのが本音だった。

凡人の私が「人生にも成功したい」と思うのも当然だ。
でも、これが目的で学ぶとしたら「成功」の反対の「失敗」に出逢うことになり、「失敗」しない方法も学ばなければならないが、学んでいるだけで時間が経つに違いないと感じるようになった。

ある日、稲盛さんへの経営問答があり、上場を果たし素晴らしい売り上げを上げるようになり給与も上げることが出来たというある会社の社長が質問した。
その社長は、みんなの努力で上場を果たし、会社も大きく成長し立派になって、持ち株を社員に分けていったら、会社の雰囲気が急に変わっていったと話した。
どう変わったかというと、株を売れば何千万というお金も入ってくるし、仕事もあくせくしなくても信用がついて売れるようになったことは良いことだが、一方で一気に活気がなくなってしまったと言うのだ。
そこで、その社長は稲盛塾長に「会社は個性を重視するか?トップが強い情熱と力で導くか?」と質問した。
稲盛さんの答えは「両方いる」であった。
そのために方法もしっかり答えておられた。(詳しくは後日書く)

「任せて、任せず」というのが答えであった。
同じようなことを松下幸之助は「信じて信ぜず」とおっしゃられている。
言い換えると、「成功すること」は現実の社会と事と人をしっかり見て、気を抜かずド真剣に対応するという姿勢を創ることだ。
これは「生き方」の事だ。
その姿勢ができたら、「方法」が浮かび、智慧が出るのだと言う。
「その為には強烈なトップダウンとフィロソフィーがいる」と稲盛さんは断言された。
そしてさらに「これを日々実践することだ」ともおっしゃられた。

そして塾長がいつも言われる順位がある。
1.チャレンジして成功したもの
2.チャレンジして失敗したもの
3.チャレンジするものをサポートするもの
4.ルーチンワークで仕事しているもの
5.批判ばかりして勝ち馬に乗ろうとするもの
多いのは5番の社長だ。 
私たちが学ぶものは「成功の方程式」ではない。
事業に携わる「生き方」を学ぶのだということを突き付けられているのだ。

「土俵の真ん中で相撲とれ」
「垂直登攀で登れ」
「才能を私物化するな」
「誰にも負けない努力をしろ」
「私心なく動機善」
上記の言葉は稲盛さんの言葉だが、これらはすべて生き方の原点を教えてくれているのだ。

私の親友で、いつも「人間は愚かで欲張りで、怠けもの」と言って、自分を厳しく律して学び仕事を完璧にこなし生きている人物がいる。
まさに、この生き方をするから完璧な仕事が出来て成功が手に入るのだ。
チャレンジして成功した者が一番いい人物だが、負けてもチャレンジする人物の方が勝ち馬に乗る人物よりは良い。
負けてもいいから挑戦しようと、生き方を真似ようと覚悟するしかない。
我々凡夫はまだまだ努力が足りないことだけは確かだ。

皆さんは誰に学んでいますか?成功ですか、生き方ですか?

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