大阪石材社長ブログ

「美の時代」

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人類は「真善美」を最高に求め学んできて、自然界を科学し人間の内面を哲学してきた。
そして、世のため人のためにより良くしようと生産力も向上させた。
しかし、今は自然と共生する本物の「美」を実現させる時期に来ているように感じる。
それは自然の法則と共鳴しながら成長することを意味する。
行き過ぎた貪欲さを捨て、「足るを知る」と言うように小欲を抑え、世のためになる大欲を持つ「美しさ」を、行動にまで具体化することが必要だ。

茶道の窯の灰を作法によって整え、最後にその灰の山をわざと切って不完全な状態にする。
また書院造の「違い棚」に見る「不完全な美」は多様性を受け入れる日本独特の美意識だ。
この寛容さは古来の神道からくるものである。
西洋のように絶対神がないのが日本の神話だ。

日本語の中に「お陰さん」と言う言葉がある。
これは陽の当たっている現実に畏敬の念を持って自分を控えて畏まって言う言葉だ。
さらに相撲の行司が「のこった、のこった」という掛け声は強い者に対する賛美でなく、弱い者に対する思いやりの掛け声である。
神社の「かしこむ」が「かしこまる」に変化し、畏れと敬いとありがたさを表現している言葉が「かしこみかしこみもうす」である。

神道では、自分本位になる人間の「包む身(罪)・気枯れ(けがれ)」を祓うことを御清めという。
伊勢神宮に行くと鳥居をくぐって五十鈴川で身も心も清めて内宮に入る。
人間が私人から公人に意識変換すると考えられている。
日本人は神話の世界から謙虚を美徳とし、敬ってありがたいと考え、自我を抑え、学ぶ姿勢を良しとしてきたのである。
万世一系の皇室の行事はことごとく謙虚で私心がない。

世界が人間の多様性を認め合える自己革新を「美意識」に根差して学び合い尊敬しあう人類になることを祈る。

皆さんは日本の神話どのように感じておられますか?

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