大阪石材社長ブログ

「はがきがメールへ」ハイブリットな空間創造

投稿日:2022年12月25日 更新日:

1995年にWindows 95が発売され、パソコンの時代がやってきた。
リアルな社会では、昔は電報や電話が人間関係の空間を超えて意志を伝える手段だった。今でも急に亡くなられたりしたらお悔やみの電報を出す。電話も固定電話から携帯電話になって、より幅広く多くの人たちと空間を異にしても意思疎通ができるようになっていった。
画期的になったのは12年前ごろから普及しだしたスマートフォンである。スマホのアプリケーションはたくさんあり、無料で使えるものも多くある。その中でもLINEは画像も送れる優れもので、相手が見たかどうかが「既読」と表示されることで判断できるので重宝だ。

パソコンにしてもスマホにしても発信側が主体でなく、あくまでも受信者が主体になるのがポイントだ。だから、受信者がシャットアウトしたら意思疎通出来ない。このインフラのおかげで、家を大事にしてきた習慣が変化し、家族を大事にしていたのも崩れて、個人の世界を優先する社会へと変化して行ってるのが現実だ。
反面、個人が自由なように見えて、群衆の中の孤独のような空虚感も増殖している側面も見落としてはいけない。

スマホは見たくないモノはスキップさせれば簡単に次の情報になる仕組みだから、扱う人の選択いかんで自分の好きなものばかりを見せられる傾向があるので、判断基準に好き嫌いが優先する。
膨大な情報が次々送られてくるのを限りある時間で見ることになるから、見る側の判断が早くなるのも致し方ない。
最近の歌謡曲は、早く曲の中味が聞きたくてスキップを繰り返す人がいるのでイントロが短くなった。情報の洪水の中で日本人の味わい深い文化がファストフード化していかざるを得ないような様相だ。それだけならいいが、気短で上っ面しか学ばなくなり、深みのある落ち着いた人格が出来ないのではないかと危惧される。

一方で、ITをうまく使いこなせば、何万という人と学び合える関係も作れるのである。
先日、あるビジネスの会の担当理事を仰せつかって初会合に出たのだが、メンバー紹介がされて、議事が議論されたと同時に、LINEのメンバーとなっているのでLINEに議事録が送られてくる。そして次回の会合の案内もLINEでされ、会議にはZOOMでも参加可能という方式がとられていた。
実に便利で、北海道の人や九州の人とも交流できるし、直に逢った時には地元の産業構造や景気についても語れる。

ITはまさに空間創造ができる道具であり、人間関係のプラットフォームをバーチャルな空間で創り交流を盛んにできる。
でも効率がいいからとITに頼り過ぎると人情味がなくなることになるだろう。
人間の三原則は「知・情・意」であり、最も大事なのは情である。ぬくもりのある人柄が人間関係には重要だ。
中江藤樹が「喜怒哀楽を出でず」と言っているのは、実に喜怒哀楽の人間らしさを深く愛したからだろう。
時にははがき、時には手紙を使って、インターネットとハイブリッドな使い方をすることで人間のあったかい情味が出ると察する。

みなさんは人間関係の空間創造のプラットフォームたくさん作られてますか?

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