人物を育てる

投稿日:2019年10月30日 更新日:

企業の究極の目的は世の中に役立つ人物を育てることだと思う。
江戸時代には学校がないので、
各藩では文武両道の人材を養成する仕組みがあった。
江戸の昌平黌は朱子学を基本に幕藩体制の根幹として人材養成した。
現代にも影響を与えているのは島津藩の「郷中教育」であろう。
はじめられたのは戦国時代からで、
第十代 島津忠良(日新公)のいろは歌に残されている句がある。

「古(いにしえの)道を聞いても唱えても我が行にせずば甲斐なし」

知行合一を言っているのである。
「薩摩学」「日学」と言って、神仏儒の三教を学ぶのである。

日課は朝一番で先生のところへ行って本読みをする。
終えたら、家に帰って朝食を済ませ、本読みを復習し、
家事を手伝って、その後、馬上に出かけ馬追い、
相撲、旗取りなど身体を鍛える。
午後は、ともに誘い合い、先輩や先生の家に行って復習をする。
その後、剣、槍、弓、馬術の武の稽古をする。

その基本的な教えはシンプルだ。
1.負けるな
2.嘘をつくな
3.弱い者をいじめるな
4.たとえ僅かでも女に接することも、
 これを口上にのぼらせることも一切許さない。
5.金銭欲、利欲をもっと卑しむべきこと。

言い換える「公明正大」で良心を主人として、
責任を果たす文武両道の人間養成をしてきたのだ。

武士は藩の経営を担うが、ドラッカーによれば経営の本質について、
経営の本質は「責任」であると断言している。

そのためには自分の見識を広めどんなことが起ころうが、
対応できる学びと体力を作ることが、
リーダーの日々果たさなければならない責務である。

リーダーは自分の立場を利用して私欲肥やしたり、
部下と付き合って優越感にしたってるのでなく、
自分を刺激してくれる人を友とする。
経営も自己利益のみ追いかけるのでなく、
愛を持って、国の利益を取り、世界の利益を考え行動するものだ。

現代を生きるものは仕事によっては、
高度なスキル(技能)がいることは当然だ。
しかし、独自な技術を超えた仕事に対する私心の無さという、
純粋な心構えを持った人物を育てることだ。

人物を育てる皆さんはどう考えられますか?

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