唯心論の賀川豊彦に学ぶ

投稿日:2016年12月25日 更新日:

賀川豊彦さん(1888~1960年)神戸に生まれられた。
16歳でクリスチャンになり、19歳で「他人のために役に立つ事」を自らの使命とすることを覚悟された。
アメリカプリンストン大学の神学校を卒業し、農民運動、医療組合、共済組合など活動され、
1951年日本生協連初代会長を勉められた人物だ。

賀川さんは資本主義も行き過ぎると貪欲になり戦争してる、
一方共産主義も国家というエゴから抜け出せない唯物論を否定される。

そして唯心論を展開し、七つの中心思想が展開される。
1.利益享楽
2.人格経済
3.資本協同
4.非搾取
5.権力分散
6.超政党
7.教育中心
である。

この七つの価値の原理は2つだ。
1.「人格」良識を持って行動し心を磨く。
2.「友愛」兄弟のように心が通じ合い、響きあい助け合う。

全く同感である。

私たち人間は環境によって造られると同時に環境を造り出すことができる。
利己心を満足させる物質や感覚を満足させる環境を造るのか、
利他心を満足させる他人に役に立つ人格を磨く環境を造るのかである。

唯物論は人間の外的環境を造れば自然に人格ができると考えているが心はできない。
唯心論の賀川さんは人間が自分の心を高め人格を磨き上げなければ、
物質も活かされず貪欲だけが増殖するのであると考えられる。(同感だ)

相田みつおの「奪い合えば足らぬ 分け合えば余る」
貧しい国のストリートチルドレンが一つのパンを仲間に分け与えるのをテレビで見た。
人間は元来利他心がある。
今の経済社会が利己心を造くり、それを無意識に正当化してることは事実だ。
豊かな先進国は奪い合い、貧富の格差を産み、心がばらばらになり自殺者が増えてるのも現実だ。

近代文明の三つの批判を賀川さんはされてる。
1.物質主義の行き過ぎ、経済主義のお金の亡者になる。利己心の増殖
2.個人主義の行き過ぎ、個々人が対立する、また個集団としての国家エゴで戦争になる。
3.効率主義(合理主義)の行き過ぎで、貧富の差や人間が機械の奴隷になる。

「人格経済」を高らかに強調し、そのすべては教育にあると断言される。
先日NHKのファミリーヒストリーという番組で、ビートたけしのお母さんは、
貧乏から抜け出すには手に技術を持て技術系の大学に行く事だと、
子供に教育の大切さを叩き込むストーリーだった。
たけし母の意志と反して芸能界に入ったが、教育のお陰で、
下積み時代はあらゆるジャンルの本を読みあさり、ツービートの結成にこぎつけ漫才ブームを起こした。

貧乏の克服と同時に人格を高め「世の中の役に立つ人間」を造る根本は教育中心であることは間違いない。
決して今のような偏差値教育ではないが!

皆さんは唯心論どうおもいますか?

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