大阪石材社長ブログ

「闘争心を燃やす」(京セラフィロソフィ―50)

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二十数年間、盛和塾で稲盛和夫さんの話を聞いてきた。
哲学的な話が多く、モノの見方、真実への洞察力、人間としての愛情や思いやりを持つことが大事であることなどについて語られた。

物事の本質を知るには二つのことがいる。
一つは体当たりの体験、そしてもう一つは何からでも学ぶ姿勢と自ら考える知恵である。

しかし、これを行動に移すには「闘争心を燃やす」必要がある。京セラフィロソフィ―には以下のように書かれている。
『仕事は真剣勝負の世界であり、その勝負には常に勝つという姿勢で臨まなければなりません。しかし、勝利を勝ち取ろうとすればするほど、さまざまなかたちの困難や圧力が襲いかかってきます。このようなとき、私たちはえてして、ひるんでしまったり、当初抱いていた信念を曲げてしまうような妥協をしがちです。こうした困難や圧力をはねのけていくエネルギーのもとはその人のもつ不屈の闘争心です。格闘技にも似た闘争心があらゆる壁を突き崩し、勝利へと導くのです。どんなにつらく苦しくても「絶対に負けない、必ずやり遂げてみせる」という激しい闘志を燃やさなければなりません。』
そしてさらに、この「闘争心」に関して注釈を加えておられる。
闘争心と言うのは、決して「相手を打ち負かす闘争心」ではなく、路傍の草花が必死に生きようと陽の光を浴びて栄養をため葉を伸ばし、一生懸命「生きよう、生きよう」と努めることだと言う。
こうと決めたら誰にも負けない努力で、人や物に食いついたら離れないすっぽんのような闘争心です。
自然界は一生懸命生きるものに場を与えるようにできている。「適者生存」ということだ。

いま世界では、ロシアに侵攻されたウクライナで人為的な戦争が行われている。
爆発音の聞こえる中で命からがら生きようと頑張っている人たちがいるのが現実だが、平和な日本にいては「明日も今日と同じ明日が来る」と気楽に考え、死を意識して生きている訳ではない。
草花の健気な一生懸命さを人間は忘れ、ど真剣に命を燃やす闘魂を以て「今」という時間を大切に体験すれば多くの発見があること間違いなし。

経営はまず自分の命の経営をし、ど真剣に仕事をやりこなしながら、学びと考える知恵を引き出し、体当たりで体験する闘争心が必要だ。
盛和塾は二代目の社長さんが多く、親が切り開いた会社の困難や圧力を体験していない人に対して、「闘争心を燃やす」と檄を飛ばされたのは、言い換えると「克己心」を持てということだ。
コロナ禍で勝者の人はどう立ち向かい、現実の経営をやってこられたのか学べるチャンスでもある。

みなさんは「今」にど真剣に闘争心を燃やしてられますか?

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