素直な心

投稿日:2014年6月18日 更新日:

若いころ母に「素直で正直はいい」しかし「馬鹿正直も馬鹿のうち」と叱られた。
私には何がしたいとか?どうなりたいなどという自分が明確に育っていなかった。

どんな人も社会とは?人間とは?の入り口に入る時期が青春だ。
「素直」というのは「親の言うことに従う」「素直に先生の言うこと守る」といった、
受身的で従順な誰にも好かれる八方美人タイプだと思っていた。

ところが松下さんの「素直な心」は違う。
習ったことを捨て、経験を捨て、成功体験を捨て、すべてから脱却した、
「何ものにもとらわれない強い心」を意味してる。

それになるにはまず、「素直な心」になりたいと強く思い、
とらわれないで事実を見ることだ。
自分に取って良いことも悪いことも100%受けいれる大きく、ひろく寛容で気高い心のことだ。

私たちはついつい外を見て相対的に誰かと比べて戦うが、
松下さんは違う。
自分のうちの心を鏡のように素直な心にすることを一番に実践し先入観なく事実と向き合う。

あるインタビューで「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」は信長、
「鳴かしてみせよう」は秀吉、「鳴くまで待とう」は家康で、松下さんはどのタイプか質問された。

すると、「どれも当てはまりませんね。」
幸之助さんは「鳴かぬならそれもまたよしホトトギス」と答えられた。
自分の色眼鏡の価値観をはずして如実に知見する「素直な心」で事実を100%受け入れる。
ホトトギスは鳴くものだという前提を捨てた回答だ。

だからこそ「好況もよし、不況なおよし」とおっしゃられ、
どんな事態が起っても自分をどう変化させ対応するか知恵を絞り、
解決を探っていかれた。

また、「衆知を集めた上で心を鎮め、
    一般大衆の声に耳を澄ませてみる。
    するとおのずから進むべき道が見えてくる」とも話されてる。
「素直な心」は在るのだが、自分で磨いて創りださねばならない。
再度、意を強くして「素直な心」つくりに励む覚悟だ。

皆さんは素直な心創られましたか?

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