大阪石材社長ブログ

「人間力」を磨く

投稿日:2024年12月9日 更新日:

江戸時代は封建社会と言って身分制度によって職業を自由に選べなかった。
徳川慶喜が大政奉還し、江戸城明け渡して明治時代が始まる。
日本は欧米列強に植民地化されないために、国を豊かにして「殖産興業」を盛んにし、一方「富国強兵」を旗印に天皇中心の中央集権国家を目指したのである。

その為には貿易を盛んにして富を増やすため、富岡製糸工場の建設により絹貿易を始める。封建社会は武士が威張っていたが、江戸末期になると商人、特に両替商が台頭してきた。

渋沢栄一は1867年(慶応3年)にパリ万国博覧会へ幕府の使節団として随行してフランスに渡り、日本に帰国してからは、銀行を中心とした経済構造を学び株式会社制度や、通貨制度の確立に努めた。本格的な資本主義社会を実現したのである。

しかし、明治は欧米と対等にという思いがあったので、1894年には日清戦争、1904年には日露戦争を勝利した。三国協商を結んだロシア・フランス・イギリスは日・独・伊の三国同盟に対抗して第一次世界大戦前の世界政治を二分した国際体制となっていく。
第二次世界大戦はアメリカが参戦して日本は真珠湾攻撃によって原爆を落とされ敗戦となり、ダグラス・マッカーサー率いるGHQの支配下になって、欧米型の民主主義社会へと転換させられるのである。

戦後の社会は焼け野原の中、日本人の勤勉さで経済的復興を果たしていくのであり、1968年にはドイツを抜いてGDPが世界二位となり以後42年間米国とともに経済大国となった。

当時はベトナム戦争が長引き反戦運動が盛んになっていて、国内では全共闘が階級闘争を繰り広げ労働運動が盛んになったのも事実である。その中でも、あさま山荘事件が記憶に新しい。
この時代から資本を否定するし、平等を叫ぶようになり日本は福祉国家を理想とする社会へと進む。

一方、中国は毛沢東が社会主義革命を起こし、すでにロシアは1917年ウラジーミル・レーニンがソビエト連邦を樹立し、その後は冷戦時代と言ってアメリカとソ連は反目する時代が長く続いた。
ソ連にミハイル・ゴルバチョフが出てきて東西ドイツが1990年に統一、1991年にはソ連が崩壊してロシアになった。

今でも自由と平等というのを実現するために、世界は自由を旗印の欧米と、平等を旗印の社会主義・共産主義に二分されている。
北欧は福祉国家を旗印に自由と平等を実現するべく国家運営をして、今の日本は福祉国家を目指している方向だが、結果税金の値上げと国債依存に頼っているのが財政の現実だ。

未来の自由で平等な社会を実現するには政治的には上部構造を変えることだろうが、国民国家の一員として考えると国民の覚悟という下部構造をしっかりしたものにすることの方が重要だ。
そのためには「人間」が自主・自立・自覚した独立自尊の人間として修養し、「人間力」を磨くことが一番重要だと感じる。

江戸時代の武士には「四書五経」を学ばせ人間としての「在り方」を学ばせ、武士の次男三男が「寺子屋」で町人にも教えた。石門心学の開祖、石田梅岩(ばいがん)は丹波国の生まれであったが、京都に出て「男女問わず倹約を正直の徳とし、生涯学習を説生き「人間とは何か」と問い続けることを説いた。
当時勢力を持っていた神道・儒教・仏教という宗教を人の心を磨くツールとしてとらえたのが素晴らしいし、自分の外に神仏がいるのでなく、自分を磨き自分の中に築くことが大事だと、日常生活の倹約を通じて学ぶことを説いたのである。

日本人の先人には素晴らしい生き様を世に問い実践した人が数多くいる。
明治になって内村鑑三が「代表的日本人」という本を出し世界に問いましたが、敗戦後、欧米はそんな日本人を学ばせなかったのが学校教育です。
今こそ、日本の歴史に学び、日本の偉人に学ぶ時だと感じる。

皆さんはいかが思われますか?

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