大阪石材社長ブログ

「世界の中の日本、日本の中の自分」

投稿日:2022年2月12日 更新日:

マルクスは何のために『資本論』を書いたのか。
その理由は「人間の解放のためだ」と言っている。

「人間の解放」には三つある。

1.政治的恐怖からの解放
ミャンマーでは軍事政権が支配し、働く場所がなく、女性は昼間から路上で売春を誘うが、飲食店では軍関係者がタダ食いして当然というような状況だと新聞記事にあった。
民主化運動の指導者で国民民主連盟を率いるアウン・サン・スー・チーさんも捕らわれの身となっているが、同政党のメンバーである女性医師が政治犯収容所のインセイン刑務所で過ごした日々を綴った『良心の囚人』と言う本が話題になっている。
絶望的な状況を生き抜くために、仏教の瞑想で内面を見つめ希望を忘れなかったと記されている。

2.経済的欠乏からの解放
今の資本主義社会はイギリスの産業革命がきっかけとなっており、白人が有色人種の領土を植民地化し発展してきたのは事実だ。
日本は植民地化はされていないが、不平等条約や戦後のGHQによる財閥解体、教育解体、政治解体、また武力は持ってはいけないと軍隊はなく自衛隊であり、主権国家の躰をなしていない。
逆にそのおかげで経済的大国となりGDP3位になったのも事実だ。
現在、中国が白人社会に挑んで戦うまでの経済力をつけ、世界はイデオロギーで分断され、昔の米ソの冷戦と同じような状況になっているのは現実だ。
ITをはじめとした先端の技術開発に力を注ぎ、独自の商品やサービスを創造する国家のインフラを充実させることだ。

3.哲学の貧困からの解放
今一番重要なのは日本人の精神の柱をしっかり形成する人格形成の学びだ。
明治時代の文明開化が成功したのは、幕末に庶民や武士が朱子学や陽明学のような論語を学んでいたからこそで、それがあったから外来の文明を受け入れ日本流に育てることができたのである。
人間としてどうあるべきかという人間力の学びが必ず未来を開くエネルギーの源となることは間違いない。
しかし、このまま惰性で日々ただインターネットから出される情報に振り回され、Amazonの通販でモノを買い求め、何の思考もなく消費を楽しむだけのネットの奴隷のような生き方で、志も夢も持たないでいいのかと自問自答する次第だ。

世界の資本主義だ、共産主義だというイデオロギーを超えて、人間と自然の共生主義という第三の世界共通の哲学を磨くときだ。
欧米では脱炭素と言って、経済もESGと言う環境・社会・ガバナンスを意識した投資に変えようとして、持続可能な開発SEGsを旗印に企業活動をしようという運動が起こっている。
いいことであるが、日本発信のものが欲しいと思うのは私だけだろうか?

皆さんは世界の中の日本、日本の中の自分どう感じていますか?

-社会
-