経済は生産性を上げることで物質的に豊かにすると同時に心の貧困からも脱出する。
しかし、生産の三要素は「労働」「土地」「資本」であり、この有機的な結合が大事なのがリアルな資本主義だ。あくまでも人間を度外視した経済的な視点だ。
人類は長い間、手作業でする労働が主体で道具を改良し工夫してきたが、1770年代イギリスで蒸気機関という動力が発明され、鉄道が出来て大幅に輸送効率が上がり、発電装置も発明され手工業だった生産が機械式の工場へと飛躍していく。
技術革新が起こったのだ。一方植民地政策で他国より略奪したもの(資本の本源的蓄積)を資本として発展してきた。蓄積された富が集まって資本となり、資本主義社会というブルジョアジーが台頭してくる。
労働集約型から資本集約型へ、資本は産業資本から流通資本へと飛躍し、さらに金融資本が台頭して、戦後は金融機関が支配的になる金融独占資本主義時代を謳歌する。(その絶頂期は1995年に世界のGDPの15%で世界第2位が日本だ)
時を同じくして、1995年にMicrosoft社からWindows 95というソフトが出て、コンピューターが飛躍的に普及し皆が扱う道具となり、パーソナルコンピュター時代が到来した。
経済的には資本集約型から知識集約型へと価値観が変化するのである。
言い換えると知恵やアイデアを創出する知見を深める人間の頭脳が尊重される時代が来たのである。
あえて私が人本主義時代と言っているのは、単純に情報を収集して、現実の生産力を上げるためにだけに知恵を使うということでなく、人間としての「人格陶冶×知識集約=人本主義」は身心両面を人間として磨くことが重要だと感じている。
特に戦後は「理性こそ正しい」とするマルクスの唯物弁証法を支持する東大生の籠城事件などが起こった。
プロレタリア独裁などと言って資本家階級との階級闘争が起こったのも事実だ。
人本主義は外面的な現象ではなく、自分の内面の心も高めてこそ人間の本質だと考える。
利己的知識集約型でなく、利他的知識集約型を優先することが重要であり、世の中の進歩発展と調和を実現することができる。
「柔道の父」と言われる嘉納治五郎の言葉にある「精力善用・自他共栄」が講道館柔道の根本理念だ。
まさに、人類、地球のSDGs実現の根本だと思う。
みなさんは人本主義時代の到来をいかが思いますか?