12月16日に恒例になっている年末の大掃除がなされた。
私の部屋には今期入社した神戸店の新人二人が担当としてやってきた。
午前中はクーラーの掃除や電球などの拭き掃除してもらい、午後からは書類と本の整理整頓と部屋の拭き掃除を終えた。
手際よく手伝ってくれて助かったのと部屋がすっきりして心地良くなった。
合間に一階工場や三階の会議室などを見たら、皆が要らない物をほかしたり、楽しく会話しながら作業をしていた。
翌日の日報を読んでいたら、ほとんどの人が「他部署の人と話せて楽しかった」とか「いらないもの捨てた」と書いていた。
それに、午後の食事の後からのスタートも競争するかのように集中してみんなが楽しんでいるように見えた。
さて、学生が学ぶことも、社会で働くことも、集団の中で揉まれると無意識に競争心が湧く一方で、逆に周りがあまりにも優れているとやる気をなくして挫折することがあるのも現実だ。
ここで大事な気づきが2つある。
1.「正しい競争」
松下幸之助さんは事業をしていくには競争はあるとおっしゃっているが、それは他社を蹴落としたり、悪いうわさを流したりして競争するのでなく、自分の製品の品質、さらには働く人が誠実に仕事に向き合い、お客さんの要望に応えているかを競うことが正しい競争だと言うのである。
2.「自分の内面を磨くのが真の競争」
大掃除のように他人と一緒に分け合って仕事をすると、掃除もはかどり、他の人の熱心な行動見てやり方を学ぶこともできる。することは学ぶことと同じで、仕組みを作ったりしてうまく動けばはかどる方法もあることに気づき改善し続けることだ。
松下さんの著書『道をひらく』の中の「学ぶ心」には、「路傍の石からも学ぼうとすれば学べる」ということが書かれている。それは、競争の勝ち負けでなく、仕事を通じて「生きること」は学び続けることだと諭されている。
稲盛さんも「心を高めよ、そのためには利他行をすることだ」と説かれている。
戦後の社会の中で事業を発展・成長させた二人の名経営者は、心を折るのでなく心を高め続けることが仕事に向き合うことで、生きることだと言うのである。
仕事をすることは具体的に成果を上げる行動をすることだが、その仕事をする環境や仕組みまで考え創造することが大切だ。
誰かがやってくれるのでもなく、お金がなくても、やり方が解らなくても、一生懸命努力して挑戦する「あきらめない」姿勢があればいいということが伝えたいのだと察する。
みなさんは自分を信じて環境創造に挑戦してますか?