六方礼経

投稿日:2015年8月14日 更新日:

一昨日は30年近く続く盆の供養を薬師寺講堂で行ってきた。
参加された家族の数だけ般若心経を唱える。

十数年前は30数巻唱え、一時間を超え全身汗がびっしょりになった。
今回の供養に参加された家族は猛暑だったこともあり、
少なかったが18巻唱え焼香させてもらった。
供養が終わると食事をいただく。
その時には必ず「食作法五観」「六方礼拝」を唱え『いただきます』となる。

六方礼拝は『六方礼経』という経の中に書かれている話で、
人間関係をしっかり保つことによって家庭の幸せを得るという教えである。

シンガーラという名のできの悪い若者(富者の息子)が、
父親が亡くなる直前に息子のことを心配して『六方を礼拝しなさい』と告げた。
シンガーラはどうすればいいのかわからず、闇雲に拝みました。
「人に言われたからやる」意味など考えない性格だった。

御釈迦さんはそれを見かねて六方とは人間関係のことだと諭すのである。
東=親子関係
南=師弟関係
西=夫婦関係
北=友人関係
上=宗教者と在家の関係
下=主従関係

この六つの人間関係を守るために自分が行うことがある。
四つの垢=殺生、盗み、邪淫、うそ偽り
四つの悪い心=怒り、憎しみ、愚痴、恐れ
六つの口をふさぐ=酒を飲んで飲まれること
夜更かしして遊びまわること
音楽や芝居におぼれること
賭博にふけること
悪い友達に交わること
仕事を怠ること
さらに、六つの関係を具体的にどうするかも教えているのである。
御釈迦さんの仏教は悟るとか修行するとかでなく、
幸せになりたいなら自己の身と心を作り方、据え方、姿勢のあり方を教えてる。

その中で西を礼拝するのは夫婦関係であるが、
夫が妻に対してすべきことに「尊敬する」「軽蔑しない」「装飾品を与える」とある。
妻が夫に大してすべきことに「巧みであり勤勉である」、
「仕事を上手にこなす」「親族を大切にする」とある。

さて、現代の日本社会は人権が叫ばれ。「男らしい」とか「女らしい」は差別用語だとなって使いません。
また看護婦さんも看護師と男女どちらでもいけるように呼び名がかえている。

親子関係や師弟関係も希薄になっていく現代は、
「生かされてる命」(自分が二番)より「生きる命」(自分が一番)のほうが肥大して、
六方の人間関係を必要としない自己中心的で、
相対的な人間関係を遮断する方向が正しいと思い込んでると感じざるを得ない。

論語には「衣食足りて礼節を知る」という言葉がある。
薬師寺の元管主、故高田好胤は「モノが豊かで心が滅ぶ」と説法なさっていたことが懐かしい。

皆さんは人間関係の六方を如何にされておられますか?

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