日本で一番大切にしたい会社

投稿日:2012年3月31日 更新日:

日本で一番大切にしたい会社
この本は2008年4月1日に発刊された坂本光司先生〔法政大学教授〕の本だ。
大切にしたい会社一番に紹介されてるのは、
50年前に知的障害の少女二人を就職体験させ終わろうとしたとき、
十数人の社員が正規社員に採用してあげてくださいと頼み、
もしあの子達ができないことがあるならみんなでカバーしますと、
チョークを作ってる日本理化学工業株式会社の大山社長に懇願したエピソードだ。

大山社長は会社は売上を上げ、利益を上げるために存在するのではないと言いきる。
人々にホントに必要とされ、社員が誇りを持って働くことができ、
その結果、みんなが幸福を感じることができることだと断言する。

坂本先生は会社経営とは「五人に対する使命と責任」を果たす活動だとおっしゃられる。
その優先順位は一番が人財、二番も人財だといわれる。
1)社員とその家族
2)外注先・下請企業の社員を幸せにする
3)顧客を幸せにする
4)地域社会を幸せにし活性化する
5)自然に生まれる株主の幸せ

多くの会社は顧客が一番なのになぜ社員なのかというと、
自分が所属する会社に不平、不満、不信を抱いてる社員が、
お客様に身体から湧き出るような感動的接客サービスができ、
感動する商品を生み出せるだろうか?
疑問を投げかけ、心から幸せでないとできないと人本主義を唱えられる。

私は全く同感だ。

大阪石材工業という会社を設立した理由は二つある。
1)恩師小田切瑞穂の哲学〔人と人が与え合いお互いが助け合う哲学〕の実現。
2)工業化社会では働くものが商品生産のため心を疎外され、
ただ機械のように作業マシンであったり、機械の一部である心の通わない働き方に虚しさを感じていた。

何のために働くのか?

人間が人間のために、
もっと言えば生きとし生きるものすべてに役に立ち働くことと、
生きがいをもって幸福を感じる仕事観を持ちたいと考えた。

会社理念を最初考えたとき『幸福追求カンパニー』としたが、
外に具体的な形で幸福があるのではなく、
自らの心の中に幸福がありそれを引き出すんだ〔エデュケーション〕と考え、
現在の『幸福創造カンパニー』とし、自ら創っていく自主、自律、自覚をモットーとした。

先生がおっしゃられる5番目、株主の「使命と責任」説明がとても気に入ってる。
資金面・資本面で支援してくれる株主には二つの使命と責任があるといわれる。

1〕物的なもの=株主配当現金的見返り。
2〕心的なもの=自分が保有してる株の会社が、
社員や顧客さらには地域社会から尊敬され、愛されてるかどうかという見返りだ。

私は株主とは本来の目的は現金だけでなく、
世のため人の為に応援するひとつの方法だと思っている。

長女が10年前に入社した時、家内は応援するといって、
小額ですが株を買って今でももっている。
もちろん今の株価ですから5分の1ぐらいになってはいるんですが、
金儲けではありません。

こんな奇麗事だけでは会社が運営できないと否定される方もおられる。
考え方のもう一方の具体的行動面は、
お客さんの要望にこたえるべく商品やサービスを改善開発し、
感動を与える為には合理的なことは合理的に、
人と人の絆には非合理的な暖かさや優しさをどう表現するか、
誰にも負けない努力をみんなが日夜研鑽実行してる。

資本主義を全く否定はしませんが、
人本主義を基本に経営することこそ人間社会の会社だと確信する。

みなさんはこの優先順位理想論だと思いますか?

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