私たち小さいころは「大きく成ったら何になる?」と聞かれたら、
博士か大臣、バスの運転手や電車の運転手といいました。
女性なら「お花屋さん」「ケーキ屋さん」「保母さん」といったような答えが返って来た。
ところが最近の子供たちは「お金持ち」といいます。
もし子供が「音楽家」といったら、売れないとお金にならないので生活が安定しない、もっと現実的に考えなさい、というのである。
そうすると、大会社、公務員という答えを言うようになる。
母親は安心するのだ。
夢というのはあくまでぼやーとして明確には描けないから漠然となるのである。
だから、友人が医者になりたいというと「社長になる」と思わず口走る。
そんな事しているうちに、段々具体化してくるのが夢でしょう。
夢はでっかいほど人に話すのにはかっこいい。
母親は「ほら吹いて、できもしないこと言うな」と腰を折るのが一般的だ。
就職するとき仕事を択んだ理由は今後発展しそうな業界は建築業かと思い、金物会社に就職した。
ところが、時流に乗っていたので何もしなくても注文がいただけた時代だった。
あまりにもいい加減な仕事の仕方に驚き、退社した。
だが、仕事に誇りを感じるよりも生活のためが優先して選んでる自分がいた。
どんな仕事も取り組み方では人の役に立つのだが、そこまで智慧が回らず目標が設定できず、4,5回職を変え、4,5年経ったとき、仕事も目的が夢ある「全国石材振興」という大義だった。
しかし、夢では事業は継続できない。
お金がいる。
立ち上げで失敗して、文無しになった。
そこで慎重になって、また賃労働をする。
しかし、仕事に夢があった事と、時流に乗って、マーケットが供給不足だったので上手く販売が軌道に乗り出した。
目標は時代によって高められ世界の石材普及となっていくのである。
ところが、売れば売れるほど「勘定足りて銭足らず」で運転資金が不足した。
保証人もないし、何とかお金を借りて自転車操業をしていた時期が7,8年あった。
お金はないが、仕事に誇りを感じていて、当時の業界が保守的だったので、
改革する余地があったし、自分のポジションを創造していけると思い、邁進した。
お金は慢性的に不足でしたが、夢と仕事への誇り、生きがいと熱意で、
三倍働いて技術や知識を同時に磨かざるを得なかった。
さて、話を子供の夢に戻すと、現代の子供は「お金持ち」が夢なのだそうですね。なんと創造力のない子供が育っているのかと、悲しくなるのは私だけでしょうか?
親に創造力がないのではないでしょうか?
松下幸之助は「水道哲学」というのがあって文化的な生活をするため、
より良い家電製品を生み出し水道のように社会に便利な電気製品をどんどん流すという夢を語っていた。
目的は変えてはいけない。
私なら石材を通じて社会に貢献し役に立つ目的で、目標は全国石材振興
から世界の石材普及へ変化していく。
具体的には、経済活動にお金がいるので適正な価格で販売し、売り上げ最大にして経費最少にする。
この目的、目標、手段(道具)の三つの柱が一つになってこそ、
事態がマイナスになっても起き上がり諦めないで前進できたのである。
皆さんの子供の夢何といいますか?