スモールイズビューティフル

投稿日:2016年12月9日 更新日:

これは本の題名だ。
世界恐慌を解決したドイツ生まれのイギリスの経済学者ケインズに指示した人物、
シューマッハーが、1973年の第四次中東戦争が起こり、
世界中が石油がなくなるという危機に陥り(オイルショック)、
日本ではトイレットペーパーが奪い合いになった。

当時この本を手にした記憶がある。
しかし、1971年のニクソンショックで金とドルの交換停止による金本位制から、
ドルの管理通貨制に移行し、経済を拡大再生産へ金融中心の膨張を作っていくのである。

経済とは無限に拡大再生産をし続けると言う思い込みが有り、
それを解決するには社会主義をへて共産主義しかないとも思い込んでいた時代だった。

しかし、資本主義であれ、共産主義であれ生産を拡大する事が基本だ。
言い換えると生産設備をフル回転させ大量生産してコストを下げ、雇用を生み出し、
大量消費をさせる事によって拡大再生産して資本が利益を得る構造を作ったのである。

地球の資源が無限であれば問題は無いが、そうも行かない。
もう一つ問題は人間が人工に作り変える工程で出る産業廃棄物や、
商品の廃棄による環境汚染で再生産に課題が見えてきた。

さて、課題が大きすぎるので後日かく事にするが、シューマッハーはクリスチャンだが、
カンボジアの要請でカンボジアの人々の仏教的な日常生活にこころから感動して、
経済を四つの観点で見直そうとしたのである。

1.小さなこと
2.簡素なこと
3.安い資本でできること
4.非暴力的であること

それは既存の経済成長主義と言う量の拡大ではなく、
持続可能な経済社会の質的な充実に着眼したのである。

「共生」「利他」と言う仏教的徳目に着眼し、
地球上のすべての生きとし生きるものは相互存関係にあるとし、
感謝の気持ちを経済合理性に組み込み理論体系化したのである。

ミクロ経済学では利己心を基本に利益を拡大化する合理的行動は良しとされるが、
シューマッハーは大乗仏教の自己より他人を思いやる事をよりどころにする論を展開する。
これは見た目では矛盾に満ちた提案であることは間違いないが、
仏教的な「吾唯知足」と言う自己を見つめ他考え方からすれば決して矛盾ではない。
欧米でも同じような言葉がラガーの精神にある。
「一人はみんなのためにみんなは一人のために」共生の考え方だ。

皆さんは如何考えられますか?

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