大阪石材社長ブログ

「事業には目的がいる」

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事業には目的がいる。
パン屋さんでも建設業でも目的に沿って行われなければ、単なるお金儲けの器に過ぎない。
目的を実行するにはその職業に対する技能を高め、進化させていかなければ社会に適合できなくなる。
それには二つの方面から高めなければならない。
人間は目に見えない心と目に見える肉体を持っている「心身一如」の存在だからである。
心=想像力(未来を想像し、今よりも進化、成長させる働きの力である)
身=行動力によって具体的に実現させる力(想像したものを現実化させる力である)

さて、心には二つの面がある。
利己心=本能的に自分を守ろうとする心
利他心=自分の欲を達成したい心でなく、他者のためを第一義にする心

さて、事業は多くの人が集まる社会の中で営まれることが前提となる。
物々交換のような原始的な時代では等価交換されていたのだろうが、事業はそうではなく利益を出し拡大再生産していく宿命にあるのが現実だ。
私たちの経済的な基盤は資本主義経済であり、原則は自由な「競争」と「信用」を築かなければ継続できない。
「競争」はより良い商品技術の開発により新商品を競い合い、サービスも高度に量から質へ進化して行き、互いが社会の要望する市場に意識せずとも「競争」と「信用」を問われているのである。
「競争」は具体的な商品に実現されるが、「信用」は社会をさらに発展させ繫栄できる道徳心を磨くことによって築かれる。

資本主義社会の基本は人間の利己心を追求し富を増やす仕組みなのですが、「信用」という目に見えない人間関係を前提にしないと成り立たない社会システムでもある。

ここで注意したいのは利己心を否定しているのではない。むしろ肯定しているのである。唯、嘘をついたり、時間を守らなかったり、約束したことを守らないのは単なる盗賊の言動になる。歴史を振り返ると大航海時代にはスペイン、ポルトガルが東洋を目指してやってきた。その後はイギリスやフランスがインドやアフリカを武力的略奪によって隷属的な植民地化時代があった。

交易が盛んになって武力による支配から経済的な豊かさによる資本主義社会へと飛躍し「競争」と「信用」が基準になる。
それには「法」による国民国家の形成もいる。

現実は目の前でモノがお金に代わり、お金がまた物に代わることでお金(資本)を持つことが富の象徴になる。
その本質を見ると信用ができる人間関係が基本になければ成り立たないのも事実であることはお判りでしょう。

目の前で商品・貨幣・資本があたかも独自で運動しているように見えるのを物心化、物心崇拝とマルクスは言っている。
すべては人間が生産材に働きかけ産み出した生産物に過ぎないというのである。

現象にとらわれるのでなく、本質の人間関係の信頼感を構築するのに「法」と「利他行」、「事業の目的(志)」がいる。
会社とは金もうけすることを目的にしているように見えるが、それを目的にする事業は一時的に儲かるかもしれないが、長期的に見れば「世のため人のため」という理念を持った事業でないと需要する人から見放されることは間違いない。

理想論のように聞こえるかもしれないが、決して目先の利益を追っかける事業であってはならないと確信する。

皆さんは事業の目的はお金儲けと思われますか?

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