大阪石材社長ブログ

「未来へ受け継ぐもの」

投稿日:2022年7月13日 更新日:

未来へ受け継ぐべきものは「日本の文化」であると確信する。
文化は目に見えませんが、その文化をもとにした文明を築いていくことが、現代を生きる者があるべき姿を議論しそのプロセスを創造し実現させる。

四方が海で囲まれたこの国の文化は世界でも稀な歴史を辿って築かれ熟成してきた。
日本の文化は神道に始まり、500年代に仏教が入ってきて、儒教の影響を受けた「神仏儒」が熟成された文化なんですね。
さらに戦後は欧米の価値観も受け入れ、世界第二位のGDP(現在は三位)を築き上げた。
現代も神道の考え方や影響は残っており、「惟神(かんながら)の道」と言って「神のように生きる」ことを体現した現人神が天皇であるということによって国家の形が出来ているのである。

仏教は現実の社会生活をする上で、教えを言語化し、具体的に布施(利他行)をすることの行動を説いたが、戦後は相対的な考え方を欧米から学び、特に収斂理性が発達し、個人主義・民主主義という価値が叫ばれている今、仏教的な慈悲や聖徳太子の「和」の精神が薄れてきたように感じる。
収斂理性の時代は終わりを告げ、人々に愛を与える電熱器のような発散理性をベースにした行動が求められる。

経済界ではDXと言ってデジタルトランスフォーメーションが盛んに活用されているのが時流だ。
もちろん、ITはあくまでも収斂理性のスピード化であり、世界中に情報が一瞬で共有される時代だ。情報交換はどこにいても出来るという利点からテレワークという新しい仕事の仕方も生まれており、経済的な効率や効果はあることは間違いないが、一方で、人間力の観点で見るとアナログが排除されている。

今世界ではロシアがウクライナに侵攻してミサイルをどんどん打ち込み何万の人が死んでいる現状を見て、民主主義的な解決どころか世界が武力によって支配される20世紀初頭の時代に戻ってしまったような状勢だ。
個人主義や、民主主義の美名のもとで、逆に個人のエゴ、国家のエゴがまるで民主主義の影のように台頭しているように感じる。
元来の民主主義は反対者や別の意見があってもいいが、それを説得する段階があった。そして互いが未来のために妥協して政策を出し、その次には多数決という手順を踏んでこそ未来が構築されていくものだ。

もう一つ大事なことはその基本が文化であり、自分の事から発想するマルクス主義の利益代表でなく、他人の立場・みんなの立場から発散理性の愛をもって未来を構想する「私心なき動機善なり」の姿勢に立つことが重要だ。
日本が熟成してきた文化から発想した未来は、故大平正芳元総理が言った田園都市構想をより具体的に、子供が産める社会体制を作って、仕事も確保出来て、地方から発信する経済も自治も成り立つ新しいまちづくりができることを祈る。

皆さんは未来へ受け継ぐものどんな構想お持ちですか?

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