「考え方×熱意×能力=人生仕事の結果」という方程式を考えられたのは京セラの稲盛和夫さんだ。考え方は二つあるので説明するが、一番大事なのは「熱意」だと強調されるのは稲盛さんの心をベースにした経営だからだ。
プラス思考(良い心)=常に前向きで、建設的であること。
みんなと一緒に仕事しようと考える協調性を持っていること。
明るいこと。肯定的であること。善意に満ちていること。
思いやりがあって、優しいこと。まじめで正直で、謙虚で努力家であること。
利己的でなく、強欲でないこと。「足る」を知っていること。
そして感謝の心を持っていること。
マイナスの思考(悪い心)=後ろ向き、否定的、非協調的、暗く、悪意に満ちて、意地悪く、他人を陥れようとする。
不真面目で、嘘つきで、傲慢で、なまけもの。
利己的で、強欲で、不平不満ばかり。
人を妬み、こういったものが悪い心です。
この両方はだれもが持っている思考であり、心である。
さて、戦後の教育は、考え方は個人の自由ということで自由な発想、自由な思想を持つことこそ素晴らしい人間の権利だと教えられてきた。
千人よれば千人の思考、万人よれば万人の思考が現代人の基本なのです。
自由を求める前に、考え方をしっかり持って歩むことの方が重要だが教えられていない。戦前は「修身」とかで教えられたが軍国主義化に利用されたので、戦後は道徳や倫理観が伝承されていない。
しかし、「考え方」で自分の人生の方向が決まり、自分で運命を決定づける大事なことであり、自分の命の主人は自分で、自分の考え方ひとつで自分の人生の道ができていくのも事実である。
中村天風は「自分には輝く未来が待っているのだ。素晴らしく、明るく、幸せな人生が開けていくのだと、それをただ一点、建設的に、ホジティブに、前向きに思い、明るく人生を考えなさい、決して陰々滅々とした暗い思いを持ってはなりません」と平易に語られている。
稲盛さんは「考え方」は大変大事なものであり、それが自分の人生、運命を決めるのだと、信じて疑わないと断言される。これはあくまでも考え方で、これを血肉化して無意識に行動できるように習慣化するから思いが実現されるという。
現実の社会では物事の本質を究めることが重要になり、それには三つの姿勢と行動がいる。
1.極めるという100%を目指してあきらめないで追及する姿勢と行動
2.真面目に一生懸命仕事に打ち込む姿勢と行動こそ
3.地道な努力を積み重ねる姿勢と行動
この三つの姿勢を一意専心すれば、三年経ち、五年経ち、十年経てば本質が究められるようになると稲盛さんは断定される。
この姿勢と行動を徹底されたからこそ、京セラを世界に通じる企業に育て上げられたに違いない。
「蟹は甲羅に似せて穴を掘る」といことわざがあるように、稲盛さんは世界一になると宣言されていたそうだ。この三つの姿勢を「だれにも負けない努力」で実行されたことは言うまでもない。まるで禅宗の坐禅をして、作務をし、無我になることのようでもあると察する。
ビジネスの基本の「公明正大」「利他行」「原理原則を貫く」を誠実に実行されてきた人は人格も超一流なのだ。
皆さんは「考え方」で自分の運命を決定しているって、気づいていましたか?
「物事の本質を極める」について
投稿日:2024年9月8日 更新日: