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「人間の本性」について

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イマヌエル・カント(1724~1804年)は永遠の平和を人類の運命ととらえていたようだ。人間の本性は利己心で、自己保身の欲求で出来ているというのである。
人間は必然的に肥沃な土地や安全な土地、気候の穏やかな土地を好むのが自然だという。
だがいたるところに人類は住んでいるのは、戦いによって追いやられたと想像し、土地やモノ、サービスの争奪が始まり、負けた方が寒冷地や熱帯に住み進化したから、現在の人類はどこにでも住めるようになったのだというのである。
そこでこの武力による戦争によって、法的秩序が必要となり国家を形成されていくと推測する。

国家とは強制力(つまり武力)を組織することで法の支配を確立する機構でした。この段階では人類は利己心と自己保身という人間の本性で悪魔であろうが関係なく、知性さえあれば国家は樹立する。
言い換えると組織する人を悪魔と言っているのは、自分以外を法に従わせ罰則を作って強制する。国家としての利己心、自己保身ができることになる。この段階では道徳的に優れた存在である必要はない。

互いの利己心を世界市民法での概念では民族間の暴力と戦争が防止できず、国家権力であらゆる手段で最も信頼できるのは財力であり、物資の交易を盛んにすることにより、永続的な同盟を結ぶようになって、仲裁によって戦争を防止せざるを得なくなった。

商業とは暴力を用いないで、土地やモノ、サービスなどを交易することだからだ。商業と戦争は基本的に相いれない利己心であるが、経済的な利益が結果として平和を望むようになるのも事実だ。

交易も利己心からで、高い道徳心のある交易ではないというのである。
しかし、カントは自然な成り行きとして「実践理性」について、人間が自立した状況の中で、(つまり何かの強制されているわけでない状況の中で)道徳的な義務を自ら果たすときの理性の働きを高く評価している

つまり、徹底して利己心と自己保身を貫き通して、さらなる商業的成長を望むと、人間自身の理性の働きで自ら義務を課する目的となり、永遠の平和を実現すべく人間の道徳的な意図を助けるのである。

哲学者の分析はなかなか回りくどいが、仏教では「自利利他」と表現されていることは、自分のために利他行しているという意味と同時に利他行するから自分が利益する。
まさに般若心経の「色即是空 空即是色」である。洋の東西を問わず真理の探究者は同じような見解に達すると感じるのは私だけだろうか?

皆さんは人間の本性についてどう考えておられますか?

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