人間の取扱説明書に大事なのは「才」より「徳」」

投稿日:2013年9月26日 更新日:

最古の古い書物で「人三聖を更(か)え世は三古を暦(へ)たり」というのは易経だ。
三聖で一番古いのは伏羲(ふっき)が書いたものがベースで、
周の文王、周公旦、最後の聖人は孔子が書きたしていったとされ、
時代も殷、周、春秋戦国と歴史的に洗われながら伝えられた「時中」の書である。
しかし、これは単なる占いの本ではない。
「君子占わず」という言葉が指し示す。
宇宙の道理をわきまえ、中庸を解くものである。

自分の人生を占い任せで生きるのは楽なようだが、
「当たるも八卦当たらぬも八卦」の人生では人任せで面白くない。
この書を自分の人生を自分で生きる参考書として読み解くなら、
体験を通じて自分の生きた喜びも味わえるというものだ。

易経の重要な言葉は二つある。(安岡正篤先生曰く)
1、太極=陰陽のという二つのはたらきの相互転換性を持った性質・機能からでる。
      (だから目に見えない)
2、陰陽=陽とは表現・分化・発展が特徴だが、それだけに疲労しやすく、
      失い易く、分裂しやすく破滅しやすい。
      陰とは統一・結合・含蓄というはたらきが特徴だが、誤まると萎縮し、固定し
      しまいには死滅して、結果、同じになる。
だから、易経は「中」を実現し自分で折中を見出す実学なのだ。
弁証法的では「アウファーベン」止揚である。
正(テーゼ)・反(アンチテーゼ)・合(ジンテーゼ)

安岡先生は天は無限の中、造化も無限の中、易は無限の中と表現され、
人生は限りなく矛盾の統一である。
この事実を受け入れ中庸を見つけ、行きぬくことに醍醐味がある。
陰陽はその根本原理だといわれる。

さて、人間は生まれたときに神さまは「取扱説明書」を渡してくれない。
それは個々人の身体つきや精神の働きが違うからだ。
そこで、自分の身体を使って体験しながら、
先人の書に学び『自分の取扱説明書』を自分で書く旅が、人生である。

肉体は酸性が陽、アルカリ性が陰、だから健康には弱アルカリ性に保つ、
それには暴飲暴食は駄目で、酸化しないようにバランスを考えた食生活をする。
われわれの神経や感情も陽性でやりすぎて疲労すると酸性になるので
余裕をもっておく。

一方、精神にも陰陽がある。
知性や知能は分化のはたらきだから陽性であり、
感情・情緒は結ぶはたらきゆえ陰性である。

人間は認識の世界に生きといるので、常に頭をはたらかせる。
感情も刺激される。
すると、肉体が酸性となると胃潰瘍になるのと同じで、
脳潰瘍になり、人格潰瘍なる。

理屈っぽい人間は胃酸過多のようなものだ。
これほど味のない人間はない。

知性と言う「才」も大事だが、
人間として温かい情のある「徳」を一番に育てることが大事だ。

みなさんは自分の取扱説明書どこまで書かれましたか?

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