「商品と品物」は「市場と道徳」

投稿日:2019年3月27日 更新日:

市場経済というのは生産活動を統制するための道具、
市場社会というのは人間の営みのあらゆる面で市場価値が浸透している生活様式である。
こうおっしゃるのはハーバード大学教授のマイケル・サンデルだ。

現代の自由と市場主義経済が万能であると思い込んでる自由主義世界の価値観を、
一度冷静に俯瞰してみる時期がきている。

マルクス経済学では、
商品=市場で流通し等価交換できるものを商品(お金で買える)
品物=市場で流通しなく、等価交換しない目的で作られたモノ恋人が編んでくれたマフラー)
ここで問題になってくるのは市場と道徳であるとサンデル教授は言う。
たとえば、インドの代理母による妊娠代行(6250ドル)
アメリカ合衆国への移住する権利(50万ドル)
このように、営利目的とする学校や病院、さらに講演のような公共の場の「命名権」
企業や国家の環境汚染権の売買である。

30年前は健康、教育、公安、国家の安全保障、環境保護、生殖、
その他の社会的善の分配に、市場を利用することはなかった。

1980年代初頭、ロナルド・レーガンとマーガレット・サッチャーが自らの信念を、
「政府でなく、市場こそが繁栄と自由の鍵を握ってる」と表明したのである。
従来のケインズ政策は大きな政府をつくるから小さな政府で行かねばならないと、
マネタリストと称する「新自由主義」を旗印に経済を金融中心へシフトし、
2008年のリーマンショックを引き起こすことになる。(誰も予測しなかった)
この経済の欠陥は二つあって、
1.貧富の格差を産むだけでなく、お金があることが重要になり不平等を産むのである。
2.「腐敗」が起こるというのである。
子供に本を読めばお金を払うと、本を読むかもしれないが、心から満足を味わっている
のでなく、努力した達成感という非市場価値を腐らせてしまうのである。

さて、この道徳観といった非市場的価値、言い換えれば人間力、人間の魅力、
論語の世界観で言えば「仁」(忠恕)思いやりである。

孔子も言ってるが人間は元来利己的生物だ。
己の幸せを求める。これは人間の本能であり悪いわけではない。
ここで、近代法学には二つあることを考えねばならない。
1.自然法=この世における人間の営みは大いなる道理、歴史的伝統の中で生き残った人間の智慧の基づく、孔子の「礼」の領域。
2.法実証主義=文章化した法に従おうとする。たとえばドイツのヒットラーも遵守したのであるが、道徳観を無視した事は事実だ。(ユダヤの虐殺)
現代の教育はあまりにも道徳教育を軽視している故に、
無責任な欲望のままの利己主義的自由を求める事が是だと考え、
本来の自己責任のある自律的な個人主義的自由ではないのである。

権利は義務が遂行されてはじめて存在を許される。
義務のない権利は独善だ。
権利のない義務は隷属だ。
このどちらにもかたよらない人物育成が現代問われていると感じる。
世界の自由主義圏の国々がこのままの政策で経済社会が進めて行けば、
非市場価値をどんどんなくなってしまいお金のある人が、
有利になり貧富の格差の大きくなる社会へ突入する事になるに違いない。

皆さんは自由と市場経済の行方どう思いますか?

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