則天去私について思うこと

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則天去私について思うこと
1916年12月49歳の年で亡くなるのが夏目漱石だ。
胃潰瘍で倒れて、そのまま連載していた「明暗」を188回で未完で終わった。

彼は和漢洋の三学に通じた生き辞引のような人だ。
1914年代一次世界大戦が始まるときに「私の個人主義」と題して学習院で講演してるが、
戦後の現代の世相に通じる発言をしてる。

それには二つの予言をしてる。
1〕離婚件数が増える
2〕孤族〔個族の時代から無縁かされて孤独な個人の存在だ〕

平成19年の統計では離婚は25万832件ある。
また、単身世帯も4906万の総世帯のうち1521万だそうだ。
約3分の1に近い!弧族だ。
もちろん65歳以上の世帯はどんどん増え、片方が死んだら単身者になりさらに増える。

漱石は個人主義の条件として、
1〕国家と個人の関係では個人が重い
2〕自分の自由を教授するなら、他人の自由も認める他者と同等な存在が大前提だ。
3〕自分勝手とか自己中心でない。

ところが一方では「個人が平等に強くなったが、個人が平等に弱くなったとも言える」といってる。
だから「人の弱いところを広げたくなるから、人と人のあいだに空間がなくなって生きるのが窮屈になる。」
個人主義が一歩踏み込んだ議論が出来ず、コミュニケーションの壁になると深く掘り下げている。

確かに戦争での奪い合いを人類はしているのはいかにも、
まだまだ全人類の人間が人格的に成長していない証拠である。

個人主義の個人とは人間としての「徳」も「知性」も「行動力」
備えたバランスのよい人物でなければならないが、

現実は、個人主義と標榜する、
自己中であったり利己主義的〔エゴイスト〕な言動までもが含まれ、
他律的な寄生虫的な生き方で、独立自尊の気概がないように感じるのは私だけだろうか?

昔、おばあちゃんは「お天とうさんが見てる」と心の奥にある良心で行動しろと教えてくれた。
個人の価値観はどこまで行っても共通の土壌にはならない。
しかし「お天とうさん」は共通の土壌だといいたかったから、
漱石は「則天去私」に辿り着いたのではないだろうか?

私は個人主義を否定するつもりはないが、
共通の土壌を作る「公」の価値観を身につけた紳士、淑女であり、
利他行を実践し、社会の寄生虫でなく、社会の創り手である自己形成が問われてると感じてる。

「私の個人主義」を講演し、最後に「則天去私」の心境でなくなった夏目漱石は、
現代に生きる我々に何を語ろうとしたのか、自問自答する今日この頃だ。
則天去私=天に則って〔従って〕私を去る。
     〔何事も自分自分と、小さなことに我をはらず、「私」を去って、
      もっと大きくひろい立場にたって物事を見ること。そんな立場からもの見たらみんな平等だ〕

みなさんは「則天去私」のメッセ-ジ如何考えられますか?

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