「ネアンデルタール人はなぜ滅びたか」

投稿日:2020年12月13日 更新日:

それは、彼らが「私たち(WE)」を獲得しなかったからだ。
考古学的な考察に興味があるわけではないが、人類の歴史ではネアンデルタ―ル人を旧人と言って、ホモサピエンス(クロマニョン人)を新人と言うと確か習った。

ネアンデルタール人は約40万年前に出現し、数万年前に絶滅した人の一種である。
約30万年前に登場したホモサピエンスはネアンデルタール人と比べて色々劣っていた。
知能は同等だが、新陳代謝は1.2倍低く、動きは1.5倍遅く、力は強いが燃費が悪いので遠くまで移動出来ず、狭い範囲の獲物しか取れなかった。
だから、ホモサピエンスはこそこそと横取りをして生きていたと言える。

ネアンデルタール人の「集団生活」はせいぜい十数人の家族単位だったのに対し、ホモサピエンスは数十人、数百人という「村」と言ってもいい規模の集団生活をしていたのである。
これは何を意味するかというと、集団生活を送るにはコミュニケーションが必要となり言語が発達する。そうすると新しい発見や改良がある。
そのたびに情報の言語化、共有化が実現していく。

これを簡単に言うと、ネアンデルタール人は今のオランウータンのように仲間が死んだら悲しい顔をするぐらいの共感性はあったが基本的には「自分(I)」しかなかった。
一方、ホモサピエンスはひっきりなしに改良が加えられ、より精度の高いものへ磨き上げられていった。
個人が行ったイノベーションや改良・改善であっても言語化され、集団で共有されることで、「文化」として定着する。
その文化は世代を超え受け継がれ、集団の強みになった。
この「文化の厚み」がホモサピエンスとネアンデルタール人の運命を分けたのである。
個々の能力が高かったとしても限界がある。
環境の変化に対して、個人もしくは家族で対応するしかなかったネアンデルタール人に対し、「文化」(先人や集団の経験・知識の集積)に依ってホモサピエンスは生き残ったのである。

ダーウィンが言った。
「強い者・賢い者が生き残るのでない。変化できるものが生き残る」
現代の我々に何を教えているかというと、
1.音声を記録し、文字に変えることの重要性
2.企業や組織、コミュニティーも同様で「暗黙知であった個人の経験や知恵、工夫を言語化し,文字化し、見える化し、みんなと共有することで「文化」として育てていけば、生き残りが可能になることは間違いない。

人間の成長は「無心」→「自我」(I)→「私たち」(WE)→「私の私たち、私たちの私」(一如)
両親や家族、地域社会、友達によって自我(I)を形成され、社会(WE)の中で共存しようとする社会的な自分(I)を形成し、「自分と他人」と相対二元の考えに苦しみ、「物心一如」の主体が矛盾していることに気づき、「自利利他」の実践を通じて、永遠に発展する利他的自己を創造し幸福を手に入れることを確信し周りも幸福創造する感化力が身につく。

皆さんはホモサピエンスに間違いありません。だから、ちっぽけな違いや損得、好き嫌いにこだわらず、個人の体験の見える化をすることで、間違いなく集団は発展・進化する。
今の国会を見ていると発展・進化しないのは公明正大な運営が出来ていないからだと感じる。

皆さんもホモサピエンスですから、素直に個人の経験を教え合えば発展・進化すること間違いなしと思いませんか?

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