「幸福の定義」の大転換

投稿日:2021年4月19日 更新日:

戦後70有余年が過ぎ、食べる物もなかった時代から日本は復興をして、世界第3位の経済大国になった。
先進国のアメリカの豊かな生活を見て真似ていった。大型冷蔵庫や車、それにテレビや家電製品が揃って、お肉を食べ、パスタやフランスパンにソーセージ、ブロッコリーやバナナ、パイナップル、ベーコンエッグの朝食。
物質的な豊かさの享受であった。それが充足されるとおしゃれな衣類や、住宅、お墓へと需要は伸びた。
物が充足されれば、当然世界各地を飛び回って知りたいと観光をするようになり、文化芸術にも触れたいと質を求めていくようになる。

工業化社会では「選択と集中」で効率を求める価値観が先行し、より早くより低コストが好まれる価値観だった。
そのために知識の詰め込みと合理性こそが価値を生むと収斂理性に特化した教育がなされた。
仕事の作業をより早くし、効率よく製品が出来る仕組みの中で画一的な行動ができる人材の育成でもあった。

戦後の民主主義教育の流れに相まって家族という愛のある温かい関係から、個人主義という自己責任を背負う味気ない関係に変わっていくことになった。
村社会が機能していた時代は世間体という目に見えない掟があり、わがままな自由が通らなかったが、今では町内会にも入らないようになった。
家庭においても各人が一定の時間に朝起きて一緒に朝食をとることもなく、個々人が自分の学校や仕事のペースで生活する様式に変わっていった。

さて、情報化社会になり携帯電話が10数年前からスマートフォンに変わり、色んなアプリを使うようになって、ますます幸福の価値観が変化していっている。人生の先輩や、大人に相談しなくても、スマートフォンさえあれば答えを教えてくれる。
社会の幸福の定義はモノではなくなり、自分の欲求が自己実現することへと精神的な質へシフトしているのが現状だ。
ところが、相談相手の友人や先輩や人生の達人のような師匠という人がいないのが今の若者たちだ。
逆から言うと自分しか信じない、信じられる人物がいないと結論付けてしまっているように感じる。

スマートフォンの言うことを鵜呑みにして行動するしかない、間違えばもう一度スマートフォンで検索してやるしかない。
世間は間違いを許さない工業化社会での、完璧主義を貫いてきた人たちの価値観が支配している。
息が詰まる思いで、所ジョージの座右の銘「適当」を正当化するしか自分の存在を受け入れられないのだ。

工業化社会では物や所得(お金)で成長、繁栄していく実感があったが今は無い。
それは自己実現のために、完璧を求めすぎないで、失敗に寛容な社会と人材育成の在り方に課題がある。

IT化の情報化社会の付加価値は決して効率の良い製品を造ることだけでなく、知識を知恵に変えて新しい付加価値を生み出す創造的な思考と行動が求められている。
これには失敗というリスクを個人だけでは小さすぎるので、仲間や組織、ひいては日本の社会(教育)が引き受けて能力を伸ばす機会を与えることだと察する。

今はITの技術者がもてはやされているが、その地位はAIが取って代わっていくことに間違いない。
AIは自分で考える知能を持つが人間のような意思はない。
今後は「チームに影響を与える力」や「人を巻き込む力」という、情熱と創造力のある人が要望される時代だ。
仕事の技能と共に人間力を磨くチャンスを逃がさないことだ。

皆さんは幸福の価値観を自己実現に重きを置いていませんか?

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