第一次世界大戦中のロシアでは「国のために死ね」というのが現実だった。
1917年のロシア革命で、レーニンは資本家たちの戦いと批判し、民衆の平和への希求が一致してソ連が出来ていく。
資本主義にはない平等主義だ。
しかし、この革命の内戦で100万もの人命が奪われているのも事実だ。
言い換えると「平等的人間」を作り出せなかったのが結末に違いない。
マルクスは「社会変革」と「自己変革」がいると言っている。
資本主義は利己心をベースに競争させる仕組みで、結果として富める者と貧しき者の格差ができる。
そこで、資本主義は福祉国家という大義を目指すことにして、みんなが平等になるように努力してきたことは確かだ。
北欧では医療も学校もタダだが、この福祉国家を維持するために20歳を過ぎたら親元から独立させ健全な納税者になることを国家として行う。
自分から利他行するのでなく、半ば強制されての法律だ。
アメリカを中心とした西側諸国では、格差をなくすために老人や離婚して子育てする人や子供に生活支援をする福祉制度を導入している。
大変良いことには違いないが、本当に苦労している人に届いているかどうか現実は分からない。
一方、手厚い制度がある為に自立心や自覚、自主という根本的な精神ができず、依存することが当たり前になることも考えられる。
社会のモノ作りには科学という客観的な手法がいる。逆に人間を創るのは自己の主観性から脱却し客観化する哲学がいる。
まさに自己変革だ。
鉄のカーテンの中で暮らしているロシア人は、豊かではないが国家に守られていることの安心感から幸せそうだったという。
しかしその一方で、ロシアの幹部の人はロレックスの時計やシャネルの香水を持っていたという。
旧ソ連の末期にゴルバチョフが出てきて、グラチノス(情報開示)と言い出し、資本主義と話し合う姿勢を見せ、1991年にソ連が崩壊した。
そして、東西の対立も終わり、ベルリンの壁も崩壊した。
17年前に東ドイツにあるマルクスとレーニンの銅像にかかれていた文句が思い出される。
「あなた方には職業安定所が入りますね」と皮肉っぽく書かれていた。
日本が資本主義の道を歩んできたことは確かだ。
今さら平等の鉄のカーテンはできないが、互いが助け合う互恵主義的な経済活動が望まれる。
それには、近江商人の「三方良し」の道徳規範が必要だと考える。
利他行一番にして利己心を二番にすることが「自己変革」することで、互恵主義経済が出来上がると信じる。
皆さんは利他行一番いかが思いますか?