大阪石材社長ブログ

「政を問う」を読む(論語)

投稿日:2022年10月15日 更新日:

国家の統治と企業の経営について、自分の人格陶冶に共通するものは3つあると思う。
1.戦略的な思考(構想力)
2.経済的な思考(利他的判断力)
3.人格的な創造(心技体創造力)

日本は軍備を持たずに平和を保とうとしてアメリカとの同盟に頼っている。
沖縄をはじめ三沢空軍基地(青森県三沢市)、横田空軍基地(東京都福生市など)、横須賀海軍基地(神奈川県横須賀市)、岩国海兵隊基地(山口県岩国市)、佐世保海軍基地(長崎県佐世保市)に米軍の基地がある。
日本は戦後GHQ のマッカーサーが来て軍を持たない状態となった。
しかし国防がなく平和を維持できる時代ではなくなっている状況も現実にはある。
中国の軍備増強を目の当たりにしているからだ。
世界ではウクライナがロシアから侵攻され戦争状態になっている。プーチン大統領は一体何を正義と思って戦っているのだろうか…と自問自答するうえで、机の上にあった論語を読み返してみた。

論語の「政を問う」を私の好みで集めてみた。
特に顔淵第十二、子貢の孔子先生への問が気に入っている。
「子貢政を問う。子曰く食を足し兵を足し、民を信にす。子貢曰く、必ずやむを得ずしてさらば、斯の三者に於いて何れをか先にせん。曰く、兵を去らん。曰く必ず己むを得ずして去らば、斯の二者に於いてか先にせん。曰く食を去らん。古より皆死有り、民信無くば立たず。」
意味は「子貢が政治の要諦を問う。先生は答えられ食料を豊かにし兵(軍備)を充実し、民に信(道義)を持たせることだ。子貢はさらに、どうしてもやむを得ず捨てなければならないときには、この三つの中の何をさきに捨てればよいでしょう。先生は「兵を捨てろ」子貢はさらに尋ね、どうしてもやむを得ず二者の中どれを先に捨てたらいいでしょう。『食を捨てよ』昔から食の有無にかかわらず、人は皆死ぬものだ。しかし人に信がなくなると社会は成り立たない。」である。
また、子路第十三も子路が「政を問う」から始まる。
「子曰く、これを先んじ、これを労う。益を請う。曰く、倦むこと無かれ。」
意味は「人民の先に立って行い。人民を労うことだ。子路が物足りなく「もう少し」と乞うた。先生は『飽きないでやることだ』と言われた。」である。
もう一つ、「葉公、政を問う。子曰く、近き者を悦、遠き者来る」
意味は「葉公が政治の要諦を聞いた。先生は領内の者が喜べば、領外の者も喜んでやってくるようになります。」
(葉公は楚の領域にある葉の長官)

論語は国家統治の話でもあるが企業経営でもあり、自己形成論でもある。
現実の社会で生きていると経済的合理性が判断の基準になるが、自分にとって得する判断が正しいかは状況によるし、戦略的思考も必ず計画通り進めることが正しいかは分からない。
私が重要に思うのは自分の心と身体と意識を創ること、人間の人格をつくるための戦略思考や経済思考である。
人間は正しい意識をつくらないと殺人者にもなれるし、仏にもなれる素質を持っているからだ。
一番大事なのは「信無くば立たず」、心がなくなると社会も人間も崩壊するんですね。

みなさんは自分の仕事人生の政をどのようにされてますか?

-生き方
-