「王陽明」に学ぶ

投稿日:2019年10月10日 更新日:

中国 宋(960〜1127年)の時代には諸子百家時代の孔子、孟子、老子、荘子などの儒学が正しく伝わっておらず、朱熹が朱子学として再編する。
しかし、朱子学は格物致知と言って、外の理が内の理を補完すると考え、
「性即理」と考え、支配的なイデオロギーになっていった。
そこで明(1368〜1644年)の時代に、王陽明(1472〜1529年)が表れ、「一木一草みな理あり」と喝破して、内なる理は完全であって
外の理を必要としない、と言い切る。
「心即理」である。

さて、王陽明の著書「伝習録」の中の重要なキーワードを紹介する。
1.「事上磨錬」
   人間は静のときばかりいると外力に圧倒されてしまう。
   いろいろな事件と取り組んで自己を磨かねばならない。
   そうすれば、自然に確立して、静座にも安定し、
   動中にも安定する。
2.「知行合一」
   「知は行の始め、行は知のなるなり。」
   知ることは行うことの始めであり、行うことは知ることの実践であって、
   それは一つのことだ。
   知ると行うことを二つの問題としない、表裏一体だ。

王陽明を日本で最初に学んだのは、中江藤樹といわれているが、
幕末の志士たちもほとんどが学んでいた。
積極的で行動的で生き生きとしたものの見方は、
支配的なイデオロギーの朱子学から自立する体当たりの覚悟の思考だ。

他にも仏教と儒教の違いを三つあげているが、後日書くことにする。
歴史は必要な時に必要な人物を排出するものだとつくづく感心する次第だ。

皆さんは王陽明をいかが思いますか?

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