人間の脳は新皮質と旧皮質からできています。
新皮質は運動や感覚機能のほか、知的活動(理論的思考、判断力、言語能力)と複雑な感情(喜び・悲しみ)を営む部位です。霊長類ではよく発達している。
さて旧皮質(古皮質)は海馬、帯状回廊などが大脳辺縁系を構成し、本能的な欲求(食欲、性欲)原始的感情(恐怖、怒り)記憶の形成を営む。
人間は霊長類ですから、当然新皮質で行動し旧皮質をコントロールすることができる。
それには「意志」がいる。
「意」は思う。強く意識を集中するのだが、これには時間観念がいる。
過去の悔しい思いを覆すための過去意識、と現在今これが欲しいと旧皮質に従った意識だ。
この二つではない時間が、「意志」であり、未来こうありたいという目標に向かって今を生きる力である。
「志」には二つある。
「想像力」=未来をこのようになりたいと描く力
「創造力」=未来を想像したことを実現しようと行動する力
この二つで未来が切り開かれていくのである。(新皮質で思考する)
中村天風によれば理性を超えたところに魂があり、その奥に真我があって、その判断の基準が良識・良心だというのである。
「良心に顧みて、それが正しいと思ったら、それにふさわしい勇気が湧いてくる。」と断言している。
一方で、「人生とは前進すればするほど課題が出てくる。悩みの連続であるが、これをクリアすれば実に素晴らしい情味のある味わいが出てくる。」というのである。
言い換えると「良心」とは道徳心ということであり、アリストテレスも「他社との関係における善」と言っているし、カントは道徳律という表現で、「他のすべての人間が同時に採用することを自分も願う行動原理によって行動せよ」
要するに人間として「謙虚」で「感謝」して、互いが尊敬しあって生きろということだ。
私たちは民主主義という国家の主人という政治体制、資本主義というお金の自由な動きと成長原理の中で、一番大事なのは「道徳」「良心」という次元の高い精神性を磨くことが重要だということだ。
脳の旧皮質を押さえコントロールし、新皮質をもっと成長させ個々人が尊敬しあう道徳規範を自ら築くことだ。
同じようなことを松下幸之助さんも言っている。
資本主義社会が間違っているのでなく、人間の道徳心が磨かれることだというのだ。道徳心があれば、互いが尊敬しあい、ビジネスも正価で買う、すると企業は利益が出て賃金も払える。さらに新しい商品の開発に投資もできる。
互いがプラスになる関係ですべてのビジネスが行われたら、経済だけでなく、貧困もなくなり国家も安寧であるというのだ。
ビジネスのおいて一番大事なのは勤勉であることと継続することだ。
この習慣が身についたら一生通じて宝物を得たようなものだ。
「継続は力」と言われるのも、人間の本能心が暴れるから継続できないのかもしれない。
皆さんは勇気が湧いてくる習慣作っていますか?