生きる哲学を身につけること

投稿日:2019年1月9日 更新日:

荘子は、「終わりのない流転と変化に絶えず身をさらすこと」
こう考えている。

実にすごいと感服する。
仏教的な表現をすれば、「諸行無常」「諸法無我」だろう。

宗教的な背景がある言葉なので、(釈迦は労働はしなかった)
虚無的な言葉に感じるのは私だけだろうか?

近代は理性至上主義、科学万能主義と言っても過言ではない。
蒸気機関が発明され、人為的な動力(エネルギー)を発見し、
人間は機械によって重いものも、あるいは24時間働き続ける工場生産を生み出し、
大量に物を作り、移動させ運ぶ事ができることに喚起した。

イギリスで起こった産業革命だ。

その後、石油の時代が来て、科学と化学が発達し、人造の商品ができるようになった。
さらに、電気エネルギーが多くの家電製品を生み出し生活形態が大きく変化した。
現代は第4次産業革命といわれるIT革命時代だ。

自動運転の車、AI(人工頭脳)、IoT(モノのインターネット化)によって、
さらに生活様式が一変せざるを得なくなっている過程の真っ只中にある。

この現実を必然と捉え、如何に生きるべきかを自問自答せざるを得ない。

荘子は「訓練した自発」と言ってる。
この意味を説明するのに、「包丁」(丁という料理人の名)というたとえ話がある。

「丁は毎日毎日、牛刀を手に取り肉をめった切りしていた。
普通は2~3年で刃がぼろぼろになるが、丁は19年も使ってるが今でも切れ味は良い。
なぜかというと、肉には間接組織の筋道があり、天理にしたがって着ることを体得していたからだ。」

そのことを「訓練した自発」といい、継続する努力がいる。

現代のように頭で考え実験によって導き証明される理性を信じるのとは違う。
丁は意識的理性から解放され、自由に牛刀を関節に当てることを体得したのだ。

「自発的」とは、自己の欲望を解き放つ事だと考えるのが一般的だが違う。
自発的に継続する努力の結果なのだ。

稲盛和夫さんも「継続が平凡を非凡に変える」とおっしゃられている。
さらに、人格とは持って生まれた先天性「性格」に、
人生の過程で学び身につけた後天性の「哲学」を加えることによって陶冶してゆくもので、
どのような哲学に基づいて人生を歩むかによって、人格は決定付けられるとおっしゃる。

やるべきことを一心に黙々と努めていれば、思いが成就するという事だ。

「悟りは日々の労働の中にある」

違う言葉で、森信三さんは「真理は現実のただ中にある」とおっしゃられている。
とはいえ、人間が生きるには、働いてモノを作るか、モノを作る道具を作るか、
直接人間の生活に働きかけるサービスを提供するか、サービスを生み出すか、
あるいは直接人間の精神を感動させる音楽や絵画や芝居といった行動をする必要がある。

言い換えると生きることは働く事だ。
「勤勉である事が善」といわれる所以だ。

現実は働き方改革をはき違え、
働かないで遊ぶ事が善へ変貌しようという方向性も見える。

これでは未来は崩壊するしかない。

子々孫々の未来を希望に満ちた世界にするには、
自分自身が生きる意味と価値をしっかり確立した哲学を身につけることだ。

皆さんは哲学を持つこと、いかが考えられますか?

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