日蓮とマルクス

投稿日:2017年6月25日 更新日:

鎌倉期を代表する戦う戦士のような人が日蓮だ。
貴族が極楽往生を願う悟りの宗教から民衆を救う救済の宗教へと飛躍する時期に、
御釈迦さんの説いた阿含、華厳、方等、大般若、涅槃経といった中から、
すべてを語っているのは「法華経」だと一乘に徹底し、「南無妙法蓮華経」の題目に意味があるとする。
過去、現在、末来の三世に渡り衆生を救済することを誓うのである。(久遠実成という)

そこで、北條時頼に「立正安国論」を提案するが、取り上げられない。
鎌倉が日本の中心となる時代だったので鎌倉にでて「辻説法」をして、
念仏宗を徹底批判するのである。

当然に恨みをかうのは必定となり、39歳には草庵を念仏者に焼かれ、40歳には幕府から伊豆に流され、
43歳には東条景信に襲われ、50歳には良寛、良忍に訴えられ佐渡へ流罪になる。
この四つの法難を潜り抜けるごとに法華経一乘が確信となり決意も強くなるのである。

法華経とは(サッダルマ・プンダリーカ)=正しい教えの白蓮という意味だ。
法華経は全編物語で比喩表現されているから自分の物語を読むように読まなければ理解ができない。

あらゆる苦難がおきてもあの世で極楽になるのでなく、
現実に成仏して救済し具現する事に徹するからこそ戦いなんである。

19世紀の中ごろからヘーゲルに学び資本を科学的に解明したマルクスと会い通じると感じる。
現実の貧困を豊かにするために、
労働者が資本家と階級闘争をするという喧嘩腰の立場を唯物論という観念で固め、
闘争する結果、平等な社会ができると壮大な理想の元に20世紀に社会主義建設が実践された。
ところが、ベルリンの壁が崩壊し、ソビエト連邦は1991年に崩壊、
ヨーロッパの社会主義の国も解体していくのである。

内面の自己革新か現実の社会変革かによって方法は違うが、
急激な革命を望む闘争と既存の資本主義が成熟した社会の必然として、
ソフトランディングして融合の二つの道があるに違いない。

もし、人類に叡智があるならば、他者を敵対する闘争でなく、
他者を受容する融合的手段を編み出す事を願いたい。

鎌倉期の時代背景は大地震が起こり街が焼失したり、台風により疫病が流行、
天災による大飢饉が襲い掛かりる。

「善悪は時なり」と道元が言ったように、
おかれた状況によって人間は闘争してでも生きるという動物になるに違いない。
江戸時代までは法華宗といわれた日蓮宗はすべての民を救済するという願いから、
闘争的で排他的なところもあるが現代も社会の救済の一助になっている。
一方、階級闘争を是認する戦いは、各国の固有文化の破壊を推し、
民を戦争に駆り立て本当に民の救済になっているか疑問だ。

マルクスは何のために資本論を書いたかを訪ねると「人間の解放」と答える。
日蓮も貧困や精神的な呪縛から人間を解放する救済を願ったことは確かだ。

物質的な貧困からの開放と同時に精神的な貧困の開放を自ら学び実践することを祈るばかりだ。

皆さんは日蓮の救済のおもいの激しさ、マルクスの闘争を如何おもいますか?

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