親鸞と韓非子

投稿日:2017年6月24日 更新日:

日本の歴史を貴族社会からではなく、民と共に築き上げた鎌倉時代からという人もいる。
鎌倉期には新仏教が盛んに生まれるのであるが、時代背景がある。
仏教が伝来したのは538年百済の聖明王から欣明天皇に釈迦仏金銅像を送られた時とされる。

国内は曾我稲目は崇仏派であったが、物部御輿は廃仏派であったため、
この時代は定着しなかったが、聖徳太子の時代に十七条の憲法を発布し、
仏教的なことがどんどん中央集権化の日本に取り入れられるようになった。

正式には聖武天皇が741年全国に国分寺の建立を命じ、国家の精神的な柱とし、
752年には東大寺を国分寺の総本山として行其を大僧正にして大仏開眼供養を執り行った。
その後寺の勢いが増し、政治に関与しだしたので桓武天皇が平安京に遷都した。

そこでは東寺と西寺の二つしか寺を立てさせなかった。
貴族社会が段々衰退し武家が台頭する世の中になり、
仏教の末法思想の時代となり、貴族は浄土教に来世を祈るようになっていくのである。

親鸞は法然に学び、法然は中国の善導大師の人間は善になり切れないという「雑毒の善」に学ぶ。
道徳では「廃悪修繕」と言って、善を肯定するが人間は如何に努力しても、
本能心で自分を守り利己心はなくならないというのである。
だから修行して自力ではどうしても往生できないというのである。

人間の攻撃性は「善人自己肯定」=我執である。
こう親鸞は解く。
善人は自分の非を認めず、相手のミスを許さない。
これでは衆生がみんな救われないというわけである。

根本的に視点を変えて阿弥陀さんがすべて救ってくれる。
念仏さえも阿弥陀さんが言わせていて、自分が唱えてるのではないというのである。
180度人間界からの発想でなく、阿弥陀さんからの視点での説き方だ。

絶対他力こそが他力本願だというのである。
自力作善と言って自分の能力を信じ、
善悪の判断を自分で見極めるのは我執に他ならないというのである。

この世は「意志」を超えた縁の力があると断言する。
「雑毒の善」を言い換えると韓非子を思い出す。

韓非子は性悪説の荀子の弟子で諸子百家時代の法家である。
戦国時代に幕を引き、統一した秦の始皇帝は韓非子を絶賛した。
そして、国家統一に法を細かく作って統治したが、15年で崩壊する。

韓非子をもう少し深く見ると彼は人間を善悪で決め付けていたのではない。
彼が言いたかったのは人間の本性は「弱さ」であるというのである。
将に親鸞と同じように利己心や自我に執着する心は捨てれないと同じことを言ってると察する。

ゆえに,人間が水のようだとすれば「法」は堤防の壁である。
悪いことしないように、悪い芽が出ないように「法」で縛るのである。

それは善い方向に導く意味での「法」である。
言い換えると人間を性悪説というより「性弱説」である。

韓非子の言葉に、
「昔、みんなが財物に執着しなかったのは、思いやり深かったからではない。
人の数より財物が多かったからなのだ。
現在、みんなが争いに明け暮れるのは、卑しいからではない。
人の数より財物が少ないからなのだ。」
韓非子は人は置かれた状況によってよくもなるし悪くもなり良くもなるのである。
彼は「利己的にならざるを得ない状況では人は利己的になってしまうというのである」

根本的に違うのは親鸞は「阿弥陀仏」はすべての人を助けてくれると信心欠場する事で、
心を開放的にするが、韓非子はあくまで人間世界での解決をルールで縛るという方法を用いた。
結果は明白だ。

皆さんは阿弥陀さんの思し召しと他力を実行するかそれとも自力で行動しますか?

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