企業の定義が変化しだす時代

投稿日:2020年3月17日 更新日:

アメリカでは株主利益第一主義でなく、ESG(環境、社会、企業統治)
をめざし、公益資本主義と言われるような時代になってきた。
SDGs(持続可能な開発目標)を明確にする動きが起業家に出てきている。
日経新聞の記事に「志で事業」と書かれていたので目に止まって読んだ。

五条アンドカンパニーと言って発展途上国へ小口融資する会社が起業された。
慎 泰俊社長は5年で50万人に融資300億をするまでに成長させた。
世界人口73億人の中で金融機関に口座が持てない人は25億人いるそうだ。
日本に本拠地を構えながら、スリランカ、ミャンマー、カンボジア、インド低所得者層に融資する。
ミャンマーで働く女性にミシンが届いた。お金を借りられなかったが、五条が貸したのだ。
生産量は倍以上になって生活も楽になってゆく。
彼はジェフリー・サックスの「貧困の終焉」に触発され、ブログで有志を募って勉強会を始めた。
「Living in Peace」に発展してファンドもでき、お金も集まってくるようになった。
そのメンバーの一人が言う。
「志を持って事業をする、そこが最近の起業家と違う」とたたえた。

五条という名も二宮尊徳の五条講からとったというからすごい人だ。
「経済なき道徳はたわごと 道徳なき経済は罪悪」といって、
藩の財政を立て直した人物である。
彼は物小口の融資の積み重ねで世界の理不尽さを金融で治せると信じている。
「悪貨は良貨を駆逐する」の逆で「良貨は悪貨を駆逐する」志だ。

イギリスのロイドは「バンクはバンド」といった。
金融が株主利益第一から公益資本主義という矛盾が一つとなる時代がやってきた。
アメリカのジョンソン&ジョンソンの「我が社の信条」には、
1、顧客
2、従業員
3、地域社会
4、株主
の順番で奉仕する表明をしている。
日本的に表現すると近江商人の三方よし(売りてよし、買い手よし、世間よし)ということになる。
企業が金儲けの道具の時代は終わりつつあるように感じるのは私だけだろうか?

企業の定義が変化しだす時代皆さんはどう思いますか?

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