「論語と算盤」は渋沢栄一の著書ですが、渋沢さんの孫の方がなぜ「と」なのかについて語られていた記事を読み納得した。
論語は道徳、算盤は金儲けのことなので、まったく反対なものを「と」で結んでおり、『【道徳と経済の合一】というバランス問題だと解釈されている方が多いが違います』と言い切る。『「と」は価値創造だ』と言うのである。
私もバランスだとは思っていなかったが、この見解にはびっくりした。価値創造は「社会を変える力」と意味づける。お孫さんも只者ではない人物である。
今まで私は「矛盾を生きる」「不完全を生きる」と解釈していたが、この解釈がまったく腑に落ちたのである。
経営用語に「選択と集中」という言葉がある。「選択か集中」と二者択一することではない。どちらもやらねばならないのが経営であり、当事者としては絶体絶命だ。
そんな状況の時にひらめくのが「想像力」がある。
ゆえに人間は万物の霊長なのだと理解できた。
さらに現代の「いい会社」はいい人材を囲い込み定年まで面倒を見るのですが、いい人材は先が見えてやめてしまうのが現実だ。
「うちの会社を辞めても、彼らがその後もちゃんとやっていけるようにしようと」と考えたのが渋沢だ。
実は私も創業して47年になり「人材育成が会社の原動力」になると気づき、「一生この会社で働かなくてもいい、君たちがこの会社を辞めてもどんな仕事をしても生きていけるように育てる」と言ってきました。
最初は新卒なんか来ませんでした。すべてが中途採用です。
ですが、ある程度社会を知っている人なので、数人でやっている会社の欠点ばかり見てすぐに辞めていくんですね。
そこで、意を決して20数年前から新卒採用に切り替えました。
当初は、10人入って9人辞めるのが5年ぐらい続きました。
その後も新卒を採用し続けましたが世の中の景気が良く全員辞めていきました。
それでも根気よく頑張って育ててきたら、現在は20年以上の人が20数名になって頑張ってくれています。その間いろいろと考え実行してきました。
一番力を入れたのは経営の根本的な姿勢と、業界の戦略を理解してもらおうと社長塾、ブログ塾を15~16年前からやってきました。
中小零細企業はネームバリューもなく、福利厚生も大会社より劣るのも事実だ。
しかし、人材育成に力を入れ、どんな仕事についてもリーダーシップとれるように育てるように言っているし、「来るもの拒まず去る者追わず」を貫いてきた。
これからも、自主、自立、自覚ある独立自尊の社会を変える力ある人材育成を心掛け社会に貢献していく所存だ。
皆さんは渋沢栄一の「と」の意味いかが思いますか?