大阪石材社長ブログ

「国家のあるべき姿」について

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日本は第二次世界大戦後、アメリカとの安全保障のおかげで経済的に成長してきた。
私個人の見解ですが、徹底して「安くて良い物」という価値を追いかけ経済発展してきたのが事実だ。予算に軍備を組まなくて良かったということ、また、政府がケインズ政策の有効需要の創出を率先してやってきたことも要因の一つだ。
しかし、米ソ冷戦終了後はデフレ経済が30年も続いたのが現状だ。

現在デフレから脱却できないのは賃金が上がらないからというのが今のマスコミの論調だが、インフレで経済が拡大しているわけでも、日本の生産拠点が拡大し需要の拡大をしたわけでもない。実際は、円安によって海外の利益のドルが円に変えられたことによる利益と、工場が安価な賃金の海外へ移転したことによる人件コストの削減で急成長が遂げられたのだ。
世界から日本がバッシングを受けることになった時に日本製品の不買運動が起こったのも記憶に新しい。
また、食の欧米化も進み、食料自給率は40%以下になり、食品の原材料や加工品の輸入の単価アップと、ウクライナとロシアの戦争による石油の価格高騰で輸送費の単価アップによる輸入インフレも影響を与えている。
そこに来て、マスコミは大企業の内部留保金が多いということで賃金アップを掻き立てているが、大企業は実現出来ても、中小企業が8割の日本では大半が難しいというのが実状だ。

いま日本が解決しなければいけない課題は4つあると思う。
1.自国で新しいエネルギー開発に力を入れる。風力や水力、太陽光、地熱などだ。
2.食料自給率を上げるような政策へ転換すること。(これは国家の戦略にもよる)
3.消費者に「良いものは高い」という価値観、技術を持った職人を育て伝承する日本らしさを育てる気風がいる。
4.国家の補助金の在り方を根本から見直して、「技術立国」の再生にもっと力を注ぎ、世界に誇れる戦略を出すこと。

それに加えて、今の日本が取り組むべきは、福沢諭吉の「一身独立して一国独立す」という言葉のように、独立自尊の人材育成ではないだろうか。
咸臨丸でアメリカへ渡った勝海舟が袴を履き刀を差して歩く姿を、当時のアメリカの日刊新聞ニューヨークトリビューンは「威風堂々とした」と表現したそうだ。
明治の志士達のように「国を憂える」、志が高く、公人意識を持ち、明るい未来を描く戦略を持って行動できる人物を創ることが必要だと感じる。
しかし、それには世の中の大局を見抜く哲学観がいる。また、独創性があり、小局は地道な行動力と勇気を持ち合わせていることだ。

国も企業も家庭も人間の集団であることには変わりない。ならば、どんな人も、国の長、企業の長、家庭の長であると言えるので、松下幸之助は従業員に対して「君たちは『家庭の長』だから企業には稼ぎに来ている一身独立した『社員稼業』だ」と言ったんですね。

みなさん、国の基本は「一身独立」した人材育成だと思いませんか?

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