「孫子の兵法」は老荘思想である。

投稿日:2021年7月18日 更新日:

孫子とは孫武と孫矉のどちらなのかという議論があったが、1972年4月山東省臨沂県銀雀山漢1号墓から、4942枚の竹簡が発掘されて、前漢時代(BC134~BC118年)のもので、孫武と孫矉兵法が出てきた。
結論は、元々は80編あったがその発見では全13編の孫武(BC535年頃の人)である。

孫武は春秋の五覇と呼ばれた呉の将軍であった。
有名なエピソードがあるので紹介する。
呉の王の闒閭(こうりょ)が孫武は兵法に優れているので、「おぬしの著書十三編は読んだが兵士の調練を見せてくれ。この女どもで試して出来るか?」と言うと、孫武は「よろしゅうございます」と返事をして見せた。(『史記孫子・呉起列伝』より)

さて、その『孫子』の13篇の内容は以下の通りである。
1.始計篇=開戦には御前会議をし、念入りに準備をする
2.作戦篇=戦争は経済面から抑制で早く切り上げる
3.謀攻篇=戦わずして勝つ
ここまでが開戦前の準備
4.軍形篇=軍の形態
5.兵勢篇=集団の勢い
6.虚実篇=水のように柔軟な軍隊が理想
ここまでは軍隊の体制
7.軍争篇=機先を制し有利な体勢
8.九変篇=様々な変化する戦法
9.行軍篇=軍が行動すべきこと
10.地形篇=行軍の時の地の利
11.九地篇=戦場の九つの土地の形勢と戦い方
ここまでは軍隊の軍用法
12.火攻篇=火攻め
13.用間篇=スパイ(間諜)

『孫子』は兵法書とされているが、実は「哲学書」と言うべきである。
というのは、したたかな現実分析を重視しているからだ。
詳しくは書けないが敵方と自分を比較するチェックリストがあり、
「五事(道、天、地、将、法)、七計(主、将、天地、法令、兵衆、士卒、賞罰)を客観的にする。」
七計は比較で、主君はどちらが良いか、将軍はどちらが有能かなどなどを比べ、
戦わずして勝つことというのが一番だという。まさに老荘思想であり、人間道だ。
その根本が五の道(為政者が民心を捉えた正しい政治家である)
作戦篇に「兵を知るの将は生民の司令、国家安危の主なり」という一文がある。
「戦争のことを心得ている将軍こそ国民の命運の担い手であり国家安危の支配者である」という意味だ。
将には経営と同じで理念がなければならない。
その資質は「智、信、仁、勇、厳」、規律を厳格にする非情さもいる。
「泣いて馬謖(ばしょく)を斬る」ということわざもある。
古今東西読み継がれてきた兵法こそが人間道であり、コロナ禍で開催されるオリンピックの判断が誠のリーダーの決断かが問われているが、次のパリのオリンピックには歴史が結論を出すに違いない。

皆さんは「孫子の兵法」をいかが読まれていますか?

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