1970年代に欧米で仏教の瞑想法を使って、
ストレスに対処するするために、意識を「今・ここ・自己」
に集中し、とらわれない状態(解脱)にすることを意味する。
日本では禅宗の坐禅を体得することだ。
道元のように「只管打座」といって、ただ坐る中に心が解放されるというやり方と、
一方、臨済禅のように「公案」を師匠と問答して、
とらわれないやり取りをして解脱する方法がある。
ともに、「如実知見」するにはとらわれない無心で、事実を偏見なく観察するのである。
「直指人心 見性成仏」という言葉があるように、
自分の心に穢れなく真っ白にならないと事実を感得できないのである。
さて、欧米人は事実を見るのに邪魔するモノが10個の本能があると分析するのである。
実に面白い解説をするのはハンス・ロスリングたちの「ファクト・フルネス」に書かれているので紹介する。
人間の本能の10の思い込み
1. 分断本能
(なんでも右左、善悪と二分化して思い込むこと)二元論の罠
2. ネガティブ本能
ニュースとは普通に行われてることでなく、0.001とかの珍しい出来事を取り上げて報道する。あたかもそれが現在主流のように錯覚させるのである。
小さなことに敏感に反応しネガティブな危機感を思える。災害や地震の報道。
3. 恐怖本能
「世界は危機」だというタイトルをつけ、恐怖心をあおる。
飛行機事故が起こったとする。事実は2016年、4000万機の飛行機は目的地についている。10機が死亡事故起こした。0.000025%である。
4. 過大視本能
2016年、420万赤ちゃんが死亡した。前年は450万人だった。
1950年は1440万人死亡だ。世界的には多くの命が救われてる。
一つの数字で過大視の思い込みしない。
5. 宿命本能
アフリカはヨーロッパに絶対に追いつけないという思い込み、
アフリカ生まれの新生児の平均寿命は65歳で西洋に比べると17歳もの差がある。
6. 単純化本能
人はシンプルなものの味方に惹かれる。
それゆえに問題にしての原因と一つの解答を当てはめがちだ。
それでは世界を誤解する。
7. 犯人探し本能
何か悪いことが起きた時、単純明快な理由を見つけたくなる傾向がある。
誰かを責める事に気持ちが向くと学びは止ってしまう。
2015年難民が地中海で命を落とした。
それは密輸業者が1000ユーロで斡旋したからだと犯人を見つけた。
実は違う。ジュネーブ条約で難民を保護する権利があるということで入国許可のない人を、
飛行機に乗せるとその費用は飛行機会社が支払う事になってるから船で行くのだ。
本質はジュネーブ条約の破綻だ。
8. パターンの本能
メディヤの18番で田舎暮らしシリーズとか中流層とかパターン化する。
9. 焦り本能
今すぐやらないとと言う思い込み。
10. 直線本能
世界の人口はひたすら増え続けるという思い込み
実に欧米人は分析が好きだ。
道元は何も言わず「只管打座」である。
勿論、仏教書七千余巻は読破するんだが、
言葉では伝わらんと、「経外別伝 不立文字」というのである。
これでは解らんというのが若い時に感じた禅の世界だった。
皆さんは欧米人の解説で無我になれますか?