『過ぎたるは及ばざるがごとし』
こんな格言は誰でも知っているが、
では、どこまでが過ぎ、どこまでが過ぎないのかの境目が知りたいのが人情だ。
それを実験的にやって科学的に証明したのが数理物理学者の西成活裕教授だ。
現在は東京大学科学技術研究センターの教授である。
「バケツリレーの原理」で一番効率のいい割合を導き出す実験だ。
「条件は10人で100杯分水を溜める。」
1.バケツいっぱい水(100%)入れて運ぶ→効率悪い
2.バケツに少し水三分の一以下)入れて運ぶ→効率悪い
正解=70%が一番効率が良いのである。
(これは微分積分を使っても解くことができると言い切る)
ここが科学的であるので、面白い。
私のような凡人にはこの境目はいくらか確信が持てず、
いつも迷意自信のない行動になる。
科学的に証明されると聞けば自信が持てるというものだ。
いや、自信が確信になる。
この先生は実に面白いことを言ってるのである。
人間の体力には二つあるという。
1.運動体力(肉体で、20過ぎくらいから年々衰えるが維持する強化はできる)
2.思考体力(新しい発想を思いついたりすることだ)
肉体体力は有酸素運動やデューク更家のワーキング方、ヨガなどいろいろある。
思考体力はどのように養うかというと読書だそうだ。
また人の話もよく聞き届けることも有効だ。
科学的に考えるというのは短期的な『マイナス』を取って、
長期的『プラス』を生み出すことだと断言する。
実に具体的に役に立つ科学者であるが、
決して技術論としての、こて技でなく本質を突いてる。
二宮尊徳の言葉を引用して、
『遠くをはかる者は富み 近くをはかる者は貧す』
意味=遠くを見てる人は豊かになるが目先にとらわれる人は貧乏になる。
この言葉から思考体力にも二つあると断言された。
1.単段思考=5分でわかる人は5分で忘れる。
2.他段思考=めんどうくさいことをする人。
もちろんめんどくさいことをする思考体力の人は一般に『成功者』になる。
もう一つのポイントは、複雑なことを誰のためにするかも言及、
自分のため(利己行)でなく、他人やみんなのため(利他行)する結果自分が益する。
これもJカーブといって全体最適化を得るために数学で解けると断言される。
興味のある方は一度先生の本読まれることだ。
利他行して協力したり協調することによって自らの身を守る例として、
『ホッケの柱』(魚のホッケのことです)
ホッケの餌のプランクトンは海面に漂ってるですが、
ホッケがそれを海面まででて取りに行ったら、
鳥が待ち構えていて、食られてお陀仏になる。
そこでホッケはみんな集まって、ぐるぐる回りだして円の柱を作る。
海面にいたプランクトンが吸い込まれ海中に下がってきて、餌を食べれるというわけだ。
本能でやってるので、わざわざ協力とか利他行と名ずけなくても良いが、
協力し、協調する行動を無意識にする(自然がインプットし、進化した保存本能だ)。
人間も裸で自然界では弱い生き物だ。
猛獣には食べられ、毒の植物にはあたる、協調し協力する生き物だ。
しかし、個人主義だの権利だの価値観だのというのが優先して、
本来の弱い人間の自覚を忘れられてるように感じるのは私だけだろうか?
皆さんは如何考えられるでしょうか科学主義の本当?