言行の積極化

投稿日:2014年11月13日 更新日:

中村天風という人物がいる。
作家の宇野千代さん「おはん」という代表作があるが、
あるときぴったりと筆が止ってかけなくなった18年間作品がかけなかった。

そんな時、天風さんに出会い「心の置き所」を学んだと述懐される。
天風さんも結核で苦しんでいて、世界中を回り治療に奔走して、
奇跡的にある時、インドの聖者カリアッパ師に出会って病気が治る体験をされた。

カリアッパ師「どうだ気分は」と天風に尋ねる。
「頭が重くて熱があるようです」と力なく答える。
「お前はどうして暗い顔してるのか」
「すき好んで暗い顔しているのではありません。
病に取り付かれて元気がないのです」
カリアッパ師は「病が治らなければ、一生、お前は快活になれないのか。
そう考えてる限りお前の病は治らない」
その後も毎日気分を繰り返し尋ねた。
天風はいつも弱音を吐いた。
ある日、カリアッパ師は、
「弱い自己に義理を立てて何する。
より強く、より強く、より爽快になるために、言葉と行動を積極的にするのだ。」

「身体に違和感があろうと、泣き言は言ってはならない。
気分はどうか尋ねたら、『はい爽快です』とにっこり答えよ。」

『治りたい気持ちの中に、治りたくない気持ちを入れてはならない』ぴしゃりといわれた。

それから、半年もたたないうちに回復して行ったのである。

その時、天風は気づいた。
身体は病んでいるが心まで病んでしまっていることに!

心の意識のあり方に二つある。
1.消極意識(環境のせいにしたり、他人のせいにする。マイナス暗示をかける)
病のことが心からはなれず固定化してしまい心まで消極意識にする。
2.積極意識(環境改善し、自己責任で行動し、明るく笑顔ではつらつと、プラス暗示をかける)
身体は病でも心は病んでいないと消極意識を100%排除する。
このように『俺は積極精神で行くんだ』とはっきり自分の潜在意識に言い聞かせることができたのである。

大病の天風は本物の積極性を獲得するまでに半年はかかった。
それにはたゆまぬ努力が必要だったことはいうまでもない。

それでも、現実はマイナス感情が心に発動することがあるのが人間だ。
そんな時、自分につぶやく『こんなことで腹立つか、こんなことで負けるか』と、
「自分は強い強い積極精神の持ち主だ。」暗示をかけた。

ブログで以前哲学者のカントがせむし男で、
巡回の医者の言った一言で変身し学問を志したことを書いたことがある。

両親は何とか息子のせむしで動悸の早い身体を治そうと医者に身体を治すことを願った。
カントも今度の医者もまた今までの医者と同じ診断だたかをくくっていたが、

医者はこういった『君の身体は確かに悪い、しかし心まで病になっているわけではない』
カントはこの言葉を聴いて病に固定化された心が開放され、
自分の生きる光を感じた。
その後猛勉強し偉業を残したのは皆さんご存知でしょう。

私のような凡人には潜在意識に到達するまで積極意識を暗示し続ける何倍ものたゆまない努力が要る。

皆さんは積極意識の持続する方法、如何にしてますか?

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