一休の印可状に思う

投稿日:2015年11月15日 更新日:

禅の修業をして悟ったら師匠から『印可状』といって、
何者にも振り回されず、自由で自在に生きるコツを得た証にもらうのである。

言い換えると相対的に考える二元論(分別知)から離れたものの見方ができる。
道元は『心身脱落』と言って相対性を抜けた。

さて面白いのは一休禅師だ。
一休は建仁寺で漢詩を習っていて、王昌齢の『長信秋詞』を引用して、
鴉(からす)に格好は羅漢のようにしてるが、
二十年前の本心の荒っぽいやり方、怒り、
情に惑わされる自分の心が変わってないと見破られたという。
「鴉を聞いて省あり」と言う詩を書いた。

華叟和尚に『汝こそ真の作家』と印可をもらった。
その印可状を破ってしまったのである。

五十五歳になった一休は周りのものに「印可状保存していないか」と問うた。
門人は糊で張り合わせ持ってきた。

すると一休はそれを燃やしてしまったのである。

一休の真意は『肯心自許』(自ら納得する)することであった。
他人に印可をもらうとは相対性から離れていないことになるからだ。

私は45歳ぐらいのとき恩師小田切瑞穂先生にに認めてほしいといったことがある。
その時『人からもらうものではない』と諭されたことを思い出す。

人間は人から必要とされ認めてもらいたいものであり、
お互いが支えあって生きていかねばならない存在だ。

当然、喜怒哀楽の世界を一瞬一瞬味わっている迷いのなかにいて、愚かな存在だ。
反省と感謝の日々にこそ自分がある。

ところが、他人や事実を自分の都合の良いように変えようと素直になれない自分が出てくる。

皆さんは肯心自許されていますか?

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