この世の中に何しに来たか?

投稿日:2015年10月18日 更新日:

『この世の中に何しに来たのか?』
このように尋ねたのはカリアッパ師である。
中村天風をインドの山奥に連れて行き、導いた人だ。

三ヶ月考え、天風は、
『人間はこの世の中に、宇宙本来の面目である進化と向上に順応すべくでてきた』と答えた。
続けて、
『この世の中のすべての進化、向上も、ひとりでに進化し、向上したのじゃない。
人間の頭で考えた事柄がいろいろの設備や組織になって、この世の中が進歩している。
そうすると俺も人間の一人だ。
病で明け暮れ、小さな人生で生きるのが俺の人生じゃないはずだ。
それを誰の注文も受けずこの世に生まれでてきたなんて、無鉄砲なこと言っちゃったけど・・・・・・』

カリアッパ師は『よくわかったな』といわれた。
その後、天風は心をただ天の声と同化させることだけを、
折りあるごとに、時あるごとにやったと言ってる。

絶対積極とは消極的なことと対峙する相対的な積極の価値観でなく、
ぐらつかない常に積極的心の態度であることを意味する。

陽明学を学び備中松山藩を再建した山田方谷は、
『誠は天の道 誠ならんとするは人の道』と言ってるように、
天には言葉がない、天風が言うように人間が同化することで天を体得する。

現実の絶対肯定だ。

人間的な価値観は先ず『天の声』を聞き、
それから人間が謙虚に使わしてもらう智慧を出すのである。

『肉体の病は肉体にして、心まで病むことはない。迷惑かけることはない』
声なき声のあるところが本当の心の安らぎの場所であると悟るのである。

松下幸之助さんもまた天風さんの学びを受けていた。

松下さんは『学ぶ心』のなかで、

『学ぶ心さえあれば、万物すべてこれ我が師である。
語らぬ木石、流れる雲、無心の幼児、先輩の厳しい叱責、
後輩の純情な忠言、つまりこの広い宇宙、この人間の長い歴史、
どんな小さなことでも、どんなに古いことにでも、宇宙の摂理、
自然の理法がひそかに脈づいているのである。
そしてまた、人間の尊い智慧と体験はにじんでいるのである。
これらのすべてに学びたい。・・・・・・学ぶ心が繁栄への第一歩なのである』


天風は『理想を意志している』それだけで幸福がやってくると断言する。
心のベクトルを理想に向け公明正大な行動することが絶対積極の道だと諭す。

心も肉体も道具だと言い放つのも天風流だ。
天才とは努力し続ける人、習慣とは第二の天性と言うのである。

自己暗示法によって習慣化させる言葉の力を呪文のように唱和するのも天風流だ。

『今日一日怒らず,怖れず、悲しまず正直、親切、愉快に力と勇気と信念を持って、
自己の人生に対する責務を果たし、恒に平和と愛とを失わざる立派な人間として生きることを、
自分の厳かな誓いとする』

皆さんはこの世に何しに来ましたか?

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