折々のことば

投稿日:2015年6月17日 更新日:

大阪大学の総長を勤められた鷲田清一さんが朝日新聞に連載されているコーナーが
「折々のことば」だ。
解りやすく短い文章だが、「君はこんな行動してる」と迫ってくるような問いを感じる。

今朝は「同じ釜の飯を食う」だ。
会社=カンパニー。PANIS(パーニス)はラテン語でパンを意味する。
COMは「共」にを意味し、食料を分け合って食べる、
ひいては食いぶちを共にする意味だ。

上記の解説があって、
筆者は「会社が、国家が、もはや個人を最後まで守ってくれないだろうとの予感の中で、
いかに生き延びるかは、苦楽をともにした仲間をどれだけ持っているかにかかっている」
と結んだ。

私の10歳ぐらいのころは隣組の組織がお葬式でもみんなでやってくれ、
助け合い支えあって生きざるを得なかったが楽しかった。(みんな貧しかった)

ところが、日本も戦後の復興を果たし豊かになってくると、
欧米のライフスタイルへ変化し、五階建てのコンクリートの住居になり、
家庭電化製品で家事の手間が省け、みんなが自家用車を持つ時代になる。
一般に言う核家族化であり、さらに個人主義化していくのである。

昭和40年代は飛躍的に景気がよくなり、豊かな日本が実現するのであるが、
成長することばかり考えてきた日本が直面するのは少子高齢化の現実だ。
経済の拡大再生産ができなく縮小せざるを得ない市場の大変化が起こっている。

「同じ釜の飯を食う」仲間がいる。
お互いが依存しあう仲間でなく、立派に自立した大人の仲間である。
団塊の世代が年金生活をするには支払う人の人数が少ない事実を見れば先の保証はない。
会社はパンを分かち合う場である事は今も変わりないが、
もう一つ大事なのは自立した大人の精神を作る場でもある。
仕事を通じて苦楽をともに体験した仲間であるからこそ互いが助け合える。

「苦楽をともにした仲間をどれだけ持っているかに懸かってる」
この結びに深い意味を感じた。

皆さんは同じ釜の飯を食ってますか?

no image

2020/11/24

「コロナが教える日本の民主主義」に思う

アメリカの民主主義で憲法が保障しているのは法による個人の自由である。コロナウイルスが世界中で拡大している中で、欧米では方 ...

no image

2020/11/20

「人間力を高める」

相撲の世界では横綱になるには「心技体」を鍛えることを諭す、教育の視点では心は「知情意」の三方を自ら鍛え高めて人間力を高め ...

no image

2020/11/19

「我」について

インドでは「我」のことをアートマンと呼んでいる。この「我」を全面否定したのがお釈迦様である。「我」とはエゴのことであり、 ...

no image

2020/11/15

「東洋的な自由」

トランプ大統領が敗北宣言をしないのは「自由」に対しての考え方が法による自由だからである。 世界で初めて共和国を創ったのは ...

no image

2020/11/13

「中庸」と「中道」の違い

孔孟と言われるのが一般に儒教で老荘が道教だ。「中庸」は論語の雍也第六「子曰わく、中庸の徳たるや、其れ至れるかな。民鮮きこ ...

-生き方
-