済みません」は日本の文化

投稿日:2015年5月12日 更新日:

もう30年近く前のことである。
中国が石材を資源として輸出始めたころだった。

日本1985年のプラザ合意後内需拡大でバブル真っ盛りの状況であった。
石材業界では需要に生産がおっつかない状態で、
原石を中国から輸入し始めたころが1990年前ころからだ。

中国の技術力よりも人件費の安さが魅力の時代でもあった。
そこで私も大学の後輩が中国貿易していたので、ケンチ石を発注することにした。
出来上がりを確認すべく検品にもいった。

ところが出来上がってきたケンチ石は上部が丸くなっていて重ねて施工できない製品だった。
当然、商取引だからクレームを言って、取り替えるようにと強く抗議した。

相手方の返事に驚いた。
「君たちが急がしたのでそうなった」と事実を認めたが、悪いのはわれわれだという。
文化の違いである。

日本なら約束した見本と違ったら、当然取り替えるのが一般的だ。
言葉は「済みません」だ。

レストランで食事している時も「水」が飲みたくなったら、
ウエイターに「済みません、お水いただけますか?」というのがごく普通だ。

民俗学の荒木博之さんは、「済みません」は「住む」と「澄む」の意味が含まれていると考えられる。
日本の生活の基盤が稲作農耕であり、水は稲にとって貴重だからだ。

農村共同体が水源から水を管理し、水利で争わないように水長が配分し調和を保ったと考え、
争いごとがないように「済みません」、

そしてもう一つは先祖からの土地を大事にするのは、
どこにいっても狭い日本では同じで、土地を離れたくない「住む」も含まれ、

もう一つは「澄む」川はあらゆる物を飲み込み浄化するというのである。
それが日本人の「水に流す」という独特の人間関係をスムーズにする行動を生み出したというのだ。

無意識に使ってた「済みません」という、相槌のような言葉の意味は深い。

中国の文化もきっと国土の奪い合いにさらされた歴史の中で育まれた生活の智慧なのだろう。
生産がグローバルになる時代、もっと異国の文化に精通し、
互いが文化の違いを受け入れ認め合えることが更なるグローバル化のキー・ワードだと確信する。

生意気なこと言って「済みません」

皆さんは「済みません」よく使いますか?

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