直指人心 見性成仏

投稿日:2015年5月10日 更新日:

この禅語は白隠禅師が達磨の絵を描いたとき、よく書かれた言葉だ。
この5月が恩師小田切瑞穂先生の23回忌である。

小田切先生は30数年前、東京から月に1回弊社に講義に来ていただいていて、
確か「般若心経」の講義から始めていただいた。
理論物理学の先生が不思議に「摩可般若波羅密多・・・・・・」
摩可=偉大な
般若=叡智
サンスクリット語のなかでもパーリー語で書かれた言葉の一つ一つを丁寧に解説していただいた。

しかし、全く意味が理解できないレベルであったことは確かだ。

そこで先生は毎回、講義の前に私を梅田の喫茶店に呼び出し、
優しく厳しく指導くださった。

あるとき突然「仏に成れ」といわれて、
即座に「人間ですから無理です」と答えたことを鮮明に覚えている。
その時「直指人心 見性成仏」と言われたが意味が全く解らなかった。

森信三先生が「直指人心 見性成仏」の意味を、
「相手の欠点短所を直指(指摘)しやすい人間の性向を持っているが、
相手の長所美点を確認検証することこそ仏の境涯にいたる」と優しく語られている。
実に腑に落ちる。

しかし、実践するのはたやすくない。
心を善に向けることは誰でもわかってるが、
身体を善の行動させるには自己保存の本能を二番にする訓練がいる。

自分の欲望実現のために努力するのはできるが、
自分の内面の心である本能心を二番にするのは実に難しい。

仏になるとは宇宙の意志にあわすことで、
自分も幸せになると思えなければ誰もやらない。

ところが、宇宙の意志は「調和、循環、変化、成長」を繰り返している。
春に蒔いた種は夏に栄養吸収し秋に実り、
人間の食料になったり美しい花で彩り、また枯れては堆肥となり循環する。

この命の恵みを知れということであった。
人間には恩になった親というべき人は三人いる。

1.両親、この身と心を生んでくれた
2.友人や、仲間や、恩師と言った自分の自己形成に縁のあった方々
3.この心と身体を支えてくれてる命をくれた親=自然

「仏になれ」とは、命のレベルのことである。
私たちが風邪を引いたとします、自分の意識で治すことができるでしょうか?
できません!
三日間眠っていたら、自然治癒力がこの体のメカニズムに組み込まれていて治るのだ。
このことへの恩を返しているだろうか?
こんなことを先生は言いたかったのだろうと察する次第だ。

皆さんは「仏」になれますか?

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