これは易経の卦の一つだ。
実に見事に言い当ててるので解説を書くことにした。
易とは占いで「当たるも八卦当たらぬも八卦」ではない。
実に理にかなったことを説いてるのである。
この卦は上下(初九、上九)が陽で、中はみんな陰である。
頤(い)=この字は「あご」という意味だ。
「口は禍の元」という格言がある。
このことを諭してるのだ。
佐藤一斉が簡潔にまとめている。
「人は最もまさに口を慎むべし。
口の職は二用を兼ぬ。
言語を出だし、飲食をいるる是なり。
言語を慎まざれば、
以って禍を速(まね)くに足り、
飲食を慎まざれば、以って病を致すに足る。
諺に言う、
禍は口より出で、病は口よりはいる。」
「頤を観て自ら口実を求む」と書かれている。
意味=あご(頤)とは身体と心(精神)を養うとい意味である。
口から食べ物を入れると肉体が健康で養われる。
口は言葉を発するから、インプットする言葉をよりよき言葉を入れればよき精神ができる。
だから、基本は人に頼ってはいけないというのだ。
独立自尊の精神が寛容だ。
「自ら口実を求む」とは、自分の肉体と精神は自分で管理し養えというのである。
江戸時代に水野南北という人相を見る人がいた。
この人の格言に「食は命なり」というのがある。
ある人相見に出会ったら、死相がでてるといわれ、
坊さんになる決意をして弟子入りに行った。
坊さんもそんな死相のでてる人を弟子にするのが嫌で、
「一年間麦と大豆で過ごしたら弟子にしてやるといった」
南北は正直にそれを実行した。
麦と大豆で一年過ごしたら人相まで変わったというのである。
口を腹八分で節する事が一番よく、頭の回転も、睡眠も少なくて身体の健康を手に入る。
精神の食べ物は情報だが、何でもかんでも入れなくても質の良い情報を入れれば良いということになる。
質の良い情報を得るのは他人に頼らず自分で自分の精神の善に養う事だというのだ。
すると善の情報しか入ってこないというわけだ。
なるほどと納得する。
これをやり続けることが一番大事だ。(当たり前として)
皆さんは自らの口を養い、病と禍を寄せつけてませんか?